解散命令請求を前提とした質問権行使の違法性

9月5日に家庭連合は、文部科学省が解散命令請求を前提とした質問権行使に対する家庭連合の対応が不誠実であるとして過料を科すとの報道を受けて、「文科省による質問権行使は違法であり、そもそも当法人が解散を命じられる事由はなく、文科省が求めようとしている過料は認められないものである」との見解(以下、見解A)を出しました。

また、家庭連合の対応が不誠実であるとの指摘に対しては、9月7日に、家庭連合は質問に対して真摯に対応したとの見解(以下、見解B)を出しました。

私はこれらの見解を、全面的に支持します。理由を下記します。

質問権行使は、宗教法人法にて、①「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」との疑いがあると認めるとき、②「宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意」して、行うこととされています。そして、③家庭連合はこれらの質問権に対して真摯に対応しました。ところが、④文部科学省から過料制裁の情報がマスコミにリークされ、実際にその通りになりました。

①について
家庭連合は、①の要件を満たさないことを何度も文部科学省に通知しましたが、文部科学省はこれに対して回答しないまま、7回もの質問権を行使しました(見解A)。①の要件を満たしているというのであれば、家庭連合に対して丁寧にその根拠を説明するべきではないでしょうか。もちろん、文部科学省に通知に対する回答義務はありませんが、家庭連合の対応のみを不誠実であるという指摘は不適切です。

②について
信者の個人情報に関する質問も相当数あったと、見解Bで述べています。質問権の内容に、信者の信仰にまで踏み込み、信教の自由に対する配慮が欠けているものが含まれているということです。

③について
家庭連合は、見解Bにおいて、質問権の内容のうち、(a)信者らのプライバシー及び信教の自由等に関わるもの、(b)明らかに民法の不法行為とは関係ないもの、(c)回答済みの質問が繰り返されたもの、(d)係争中の裁判に関するものに対しては回答しなかったと言っています。文部科学省は、100問も質問に答えなかったから過料制裁すると言っていますが、家庭連合は600問の質問のうちこれらのものを除いた500件には、全て回答しているわけです。

④について
質問の内容は、家庭連合側からは一切信者に知らされていません。これは家庭連合の一人の信者として証言します。この点、家庭連合は文部科学省の質問に対する守秘義務を誠実に守りました。ところが文部科学省は、過料制裁に関する情報を事前にマスコミにリークし、世論をあおって、過料制裁を正当化しようとしました。これは、家庭連合に対して非常に不誠実な対応であると考えます。

見解Bで述べられている通り、家庭連合は文部科学省の質問に対し、真摯に誠実に対応しました。それを不誠実であると決めつけるばかりか、マスコミを利用しながら過料制裁まで行って解散命令請求の流れを作ろうというのは、もはや恣意的な宗教行政の運用であると言わざるを得ません。