身分証明書への旧姓単記はやめるべき
2月19日の報道で、高市首相が、身分証明書などへの旧姓単記を検討するべきだと指示を出したという報道があります。
「第二次高市内閣の発足に伴い、高市首相が18日に全閣僚に出した指示の全容が判明した。その中で、旧姓の通称使用の法制化に関連し、公的証明書などに旧姓併記ではなく旧姓のみを記載できる旧姓単記を検討するよう、関係閣僚に指示した」ということです。
高市首相は、選挙の前から、今もそうだとは思いますが、一貫して選択的夫婦別姓制度に関しては反対の立場です。だからこそ、今回の高市首相の解散総選挙に対して、自民党に投票したという方も、数多くおられるのではないかと思います。
しかし、公的証明書への旧姓単記、これはどうかどういうことかというと、例えば運転免許証とか、住民票などに、ええ結婚前の旧姓を、これまでは括弧書きで書く、併記することができるとなっているわけですが、結婚前の旧姓のみを表記することができるようにする、ということです。
例えば、私の場合は、結婚前も結婚後も、小笠原を名乗っていますが、私の妻が、結婚前の旧姓のみで、運転免許証に名前を書くことができるということになるわけです。
こうなると、戸籍制度との関係が、非常に問題になってくると思います。なぜかというと、戸籍には従来通り、婚姻の際に選択した、夫と妻のどちらかの姓が記載されるということになっていて、ここに変更はないわけですが、その戸籍に書かれている名前と、身分証明書に書かれている名前が、一致しないということになるわけです。
そうすると、戸籍制度そのものに対して、信頼性がどうなってくるのか、ということにも関わってくると思います。
もちろん、そのええ本籍をたどれば、戸籍を取り寄せることができて、そこで初めて確認することができるわけですが、実は戸籍というのは、赤の他人が勝手に取り寄せることができないわけです。私は行政書士ですので、職務上請求書というのがあって、依頼者の相続などの理由があれば、戸籍を取得することは可能なわけですが、そういう事情がない限り、他人が勝手に戸籍を取り寄せることはできません。個人情報保護の観点からも、それは出来ないわけです。
そうすると、身分証明書に書かれている旧姓と、戸籍上に書かれている姓が、一致しないということになるので、これは身分証明書として通用することになるのか、疑問が生じてきます。
そもそも、戸籍制度は、日本の民法の中の婚姻、親族に関する法令では、妻または夫のどちらかの姓を名乗る、戸籍上の姓とするとなっているのは、これは妻と夫のどちらが有利だとかいうことではなくて、妻と夫が、どちらかの姓を使うということでありますから、それは家族の名前ということになります。別に、男性と女性と、どちらが不利になるのかということにはなっていません。
この、婚姻後の姓というのは、ファミリーネーム、家族の名前ということになるわけです。旧姓単記は、その価値を低くしてしまう、そういうことにも、つながりかねないと思うわけです。身分証明書への旧姓単記表記というのは、非常に問題があると言わざるを得ません。
高市首相に対して、支持を表明している方々においても、意見は結構別れるみたいです。Youtubeとかで拝見していると、例えば小林琢磨さんの動画を見ると、高市内閣に信頼して投票した人に対する裏切りともなりかねませんよと、そういう意見を表明していますね。
これは高市首相を批判するというより、正々堂々と政策を中心にして、論議するべきだという趣旨で、あえて反対の意見を表明されています。
それから、近藤倫子さんも、この方も高市首相を支持されるわけですが、この方のご意見は、これは戸籍制度に手を入れさせないために、防御戦として公的証明書への旧姓単記に留めて、これを法制化することによって、それ以上の議論をブロックすることができる、選択的夫婦別姓制度を阻止することができると、そういうことのために行ったというような意見をされてます。
どういう経過、動機で、公的証明書への旧姓単記の話が出たのかわかりませんが、一説には、日本維新の会が連立政権を作るときに提示した政策そのものだという話もありますが、今回あえて高市首相がそこに踏み込んだ背景は、私もよくわかりませんが、これに関しては、反対の意見を、私は持っております。
動画はこちら
https://youtu.be/4Sye9o-q1Ug


