「日本はスパイ天国ではない」の嘘

石破内閣は、日本がスパイ天国とは考えていないとする答弁書を閣議決定したという報道があります。そして、1985年に成立直前までいきながら廃案となったスパイ防止法について、当時反対したのが、現在総務大臣を務める村上誠一郎氏であったとのことです。
https://www.sankei.com/article/20250820-633UEH65YFAKRD4DJHC4VFFHGY

当時スパイ事件が問題となったのは、1983年のレフチェンコ事件でした。日本でスパイととして活躍したレフチェンコがアメリカに亡命し、日本で行ったスパイ活動の数々を暴露しました。日本人の工作員の実名も明かされて、その中にはマスコミ関係者もいました。レフチェンコ自身が、「日本はスパイを取り締まる法律がないので、非常にやりやすかった」と証言していて、これを「スパイ天国」として中曽根元首相が国会などで発言しているのです。

このことについて、当時の警察白書では、はっきりと記録しています。

昭和59年警察白書
「我が国に対するスパイ活動は、我が国の置かれた国際的、地理的位置関係から、ソ連、北朝鮮等共産圏諸国からのものが多く、複雑な国際情勢を反映して、これらの活動は、ますます巧妙、かつ、活発に行われている。スパイ活動を行う工作員には、外交官、ジャーナリスト、研修生等といった身分を隠れみのにして合法的に入国する者と、夜陰に乗じて海岸等からひそかに潜入する者等がある。これらの工作員は、金銭関係、異性関係等から生じる欲望や個人的弱点を巧みに利用して、日本人を手先に仕立てる例が多い。」
https://www.npa.go.jp/hakusyo/s59/s590600.html

まさに、スパイ天国です。
それでは、スパイ防止法もないままで、我が国でのスパイ活動はなくなってしまったのでしょうか?
警察白書には、そのようには書かれていません。「スパイ」とはっきり明記していませんが、我が国に脅威を与える国々の活動について、個別に書かれています。

令和7年警察白書
【中国】
「我が国においても、目的を偽って機微情報を収集したり、先端技術保有企業、防衛関連企業、研究機関等に対する研究者、技術者、留学生等の派遣、技術移転の働き掛け等を行ったりするなど、巧妙かつ多様な手段で様々な情報収集活動を行っているほか、政財官学等の関係者に対して積極的に働き掛けを行っているものとみられる。」
【ロシア】
「我が国においても、ロシアの情報機関員が、大使館員等の身分で入国し、情報収集活動を活発に行っており、警察では、戦後、令和6年12月までに30件の諜報事件を検挙している。」
【北朝鮮】
「我が国においても、潜伏する工作員等を通じて活発に様々な情報収集活動を行っているとみられ、例えば、北朝鮮と密接な関係を有する朝鮮総聯の構成員やその関係者が、北朝鮮工作員の密入国や北朝鮮への大量破壊兵器関連物資等の不正輸出、北朝鮮による拉致容疑事案に関与していた事例が確認されている。」
https://www.npa.go.jp/hakusyo/r07/pdf/09_dai6sho.pdf

まさに、スパイ活動そのものが、日本で行われていることを、日本の公安は指摘しているのです。
警察は、内閣総理大臣所轄の国家公安委員会の組織です。石破首相が、このことを認識せずに「スパイ天国ではない」と言ったなら認識不足ですし、認識していてこのように発言したなら、それは嘘ということになります。

我が国の安全保障において、「スパイ防止法」は必要です。このことを訴え続けているのが、国際勝共連合です。私も、先日の参議院議員選挙では、これを訴えました。
我が国の安全のために、「スパイ防止法」の制定を訴え続けたいと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/nJjguoJ09ag