解散命令裁判 東京高裁の裁判が最終ではない
家庭連合の解散命令に関する裁判が、明日3月4日に出ます。どのような結果となるのかはわかりませんが、一つ申し上げたいことは、それが最終ではない、ということです。特別抗告という手続きがあるからです。
3月4日に東京高裁が家庭連合の解散命令の決定を出すということになれば、解散の手続きが具体的に始まり、棄却ということになれば、それが行われないということになるわけです。では、解散命令の決定を東京高裁が出したとして、それが最後なのかというと、実はそうではありません。
ご存知の通り、解散命令の裁判は、非訟事件手続法によると宗教法人法に定められていて、実際その通りに行なわれています。その非訟事件手続法に、どう書いてあるかというと、日本の裁判の三審制を形式的にでも維持するために、特別抗告をすることが認められています。
非訟事件手続法第75条に、こう書いてあります。
第七十五条
地方裁判所及び簡易裁判所の終局決定で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の終局決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
つまり、東京高裁の決定があったとしても、そこに憲法の解釈の誤りがあれば、それを理由として、特別抗告をすることができるというわけです。
今回の解散命令は、私も盛んに申し上げているし、ほかの皆さんもおっしゃる通り、憲法違反なわけです。憲法20条の新疆の自由を侵害しまくっているし、憲法31条の罪刑法定主義にも引っかかります。だから、解散の決定に対しては、憲法違反を理由として、特別抗告をすることができるというわけです。
それでは特別抗告はどういうタイミングで行わないといけないかというと、非訟事件手続法の第76条に規定があって、民事訴訟法の336条第二項の規定を準用していて、そこにこう書いてあります。
第三百三十六条
2 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から五日の不変期間内にしなければならない。
そうすると、3月4日に裁判結果が出るとして、3月10日までに特別抗告をするということになります。
ただ、即時抗告と違って、最高裁は特別抗告があっても、それを受理しなければならないということではありません。あくまで、受理するかどうかは、最高裁の判断次第です。
また、気をつけないといけないのは、例え特別抗告が受理されたとしても、東京高裁の決定によって、解散の手続きが始まると、それが自動的に止まるわけではないということです。
これも非訟事件手続法第76条が準用するところの民事訴訟法334条に規定があります。
第三百三十四条
2 抗告裁判所又は原裁判をした裁判所若しくは裁判官は、抗告について決定があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。
あくまで、最高裁は、解散手続きの手続きを止めることができるだけであって、最高裁が止めなければ、解散の手続きはどんどん進んでしまいます。
特別抗告をしても、最高裁が受理するかどうかわからないし、受理しても解散の手続きが止まるとは限らないということです。
それでは、過去の解散命令の事例ではどうだったかというと、オウム真理教、明覚寺のいずれの事件でも、特別抗告は行われました。
まとまった資料がなかったので、過去に私が自分でまとめた資料があります。
https://www.ogasawara-church.jp/blog/20230131/728/
オウム真理教では、1995年12月19日に即時抗告が棄却され、特別抗告しましたが、1996年1月30日に棄却されました。約40日後です。
明覚寺では、2002年9日27日に即時抗告が棄却され、10月4日には特別抗告が棄却されました。約7日後です。
解散命令は過去の2つしか事例がありませんが、いずれも特別抗告は行ったということです。おそらく今回も、特別抗告はするに違いないと思います。
解散命令の決定が出たら、家庭連合側が特別抗告するし、逆に棄却された場合は、文部科学省側が特別抗告をするのでしょう。
ただ、特別抗告は、憲法違反などが理由にならなければ、申し立てができません。家庭連合が特別抗告する場合は、信教の自由など、憲法違反の恐れがあるから、確実にできますが、文部科学省が特別抗告を行うばあいは、解散命令を棄却したことをもって憲法違反とするのは、非常に難しいように思います。文科省の解散請求は、宗教法人法に基づいて、著しく法令に違反していることなどが要件なので、憲法以前の問題だし、実際東京地裁の決定を見ても、家庭連合を憲法違反を理由として、解散するとは書いてありません。
いずれにしても、東京高裁が、解散命令の決定をしたとしても、それが最終決定ではないということは、認識しておくべきだと思います。
動画はこちら
https://youtu.be/c4kPO-9xn10

