「消費税は輸出補助金」といういい方は不適切
消費税は、輸出補助金である、と主張する方々がおられます。私は、これは不適切だと思っています。
国内販売に対しては売上消費税がかけられて、売値に加算された後、販売事業者が税務署にそれを支払うこととなります。一方、その商品を販売事業者が仕入れた際の仕入消費税については、税務署から戻してもらうことができます。実際の税務手続きにおいては、売上消費税から仕入消費税を控除した差額を、販売事業者が税務署に支払うことになります。
ところが、輸出については、売上消費税がかかりません。これは、日本という国家が国内で提供するサービスの対価を、国内消費者が一部負担するというのが消費税の考え方なので、海外の消費者に消費税を負担させる必要はない、という考え方なのだと思います。
そうすると、輸出事業を行う貿易会社は、売上消費税がゼロ、仕入消費税は10%なので、売上消費税から仕入消費税を差し引くことができません。そこで、税務署に請求することで、貿易会社がその仕入消費税分を受け取ることができます。これを仕入消費税の還付と言います。
消費税を輸出補助金、と言っているのは、この仕入消費税の還付のことを言っているのだと思いますが、すでに支払った仕入消費税を控除するか還付請求するかは、お金の決済方法の話であって、補助金などと言うのは、おかしいと思います。
確かに、非課税売上には、輸出の他に、社会保険医療給付の対象となる医療費などもあります。これは社会政策的な配慮に基づくものだそうですが、この場合は仕入消費税も控除・還付されません。そうすると薬局や医療機関などが仕入消費税を負担することになってしまうため、保険金給付の点数に消費税分も予め加算しておくなどの措置が取られています。私は、むしろこの場合は、保険金給付に加算するのではなく、仕入消費税を控除・還付の対象にすべきだと思いますが、そうすると税収が減ってしまうことが問題とされているようです。問題視するのは、むしろこちらではないでしょうか。
いずれにしろ、「消費税は輸出補助金だ」とは、一種のプロパガンダ的な言い回しであり、よくないと思います。消費税に反対するにしろ、正確な理解と説明が必要だと思います。
動画はこちら
https://youtu.be/5WhfKyfPuSA


