特別抗告理由書について
家庭連合は、3月9日に最高裁に対して特別抗告をしました。3月25日に、特別抗告理由書が提出されました。同時に東京高裁に対しては、許可抗告申立書が提出されました。
家庭連合のホームページはすでに閉鎖されているため、訴訟代理人である福本弁護士のホームページに掲載されました。
https://fukumoto-law.com/news?id=15
以下、内容について、解説いたします。
1. 解散命令の要件に不法行為を含めるのは憲法31条違反
【東京高裁】
令和7年最高裁決定(過料通知)を引用している。
民法709条が一定の行為を禁止する旨を定めた規定であるとは言えない。
しかし、不法行為を構成する行為は、一定の法規範に違反する行為である。
【特別抗告】
過料通知裁判では、一審は民法709条を禁止規範としたが、それでは、あいまい不明確さゆえに憲法31条違反となってしまうため、最高裁は回避。
そこで、「一定の法規範に違反」といったが、これは法律や命令などの実定法規を意味する「法令」に違反したという意味ではなく、①刑事法規及び行政法規などの実定法と、②公序良俗や権利濫用などの不文の秩序違反の両方を含む。
家庭連合は①に該当しないため、②を適用しているが、これは不文であるため、明確な罪の規定を要請する罪刑法定主義に反する。
2. 宗教法人格のはく奪は信教の自由、結社の自由の侵害
【東京高裁】
平成8年最高裁決定(オウム真理教解散命令)は下記の見解
「解散命令によって宗教法人が解散しても、信者は、法人格を有しない宗教団体を存続させられる。宗教上の行為を行い、施設や物品を新たに購入できるから、信者の宗教上の行為を禁止したり制限していない」
東京高裁はこれを引用し、「宗教団体や信者らの宗教上の行為に何らかの支障が生じるとしても、それは間接的で事実上のものに過ぎない」とした。
【特別抗告】
宗教法人解散命令は、宗教結社の自由(憲法20条、21条)に対し、直接的で究極の制約を課すもの。
平成7年以降、法人格取得に対する強い社会的要請があり、NPO法人法(平成10年)や一般社団法人法(平成18年)などが制定された。
3. 解散命令は国際法規違反
【東京高裁】
国連高等弁務官の警告(2025年10月1日)に対する東京裁判所の反論
① 解散命令は法人格がなくなるだけで、信教の自由侵害の法的効果はない。
② 解散命令の規定は、不明確でも過度に緩やかでもない。
③ 解散命令規定は、国際自由権規約18条3項の「公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳または他社の基本的な権利を侵害する行為」に該当する。
④ 家庭連合信者の不相当献金等勧誘行為等の違法性は、一般人にも十分予測可能。
【特別抗告】
① 法的効果だけではなく、実体的に信教行為ができなくなっている。
② 宗教または信念を表明する自由を制限する場合、制限自由は法律によって精細に定められなければならない。
③ 公共の安全とは、暴力行為、テロなどを念頭においた概念。公の秩序とは社会秩序を根本的に破壊するレベルの犯罪。解散命令規定はそれに当たらない。
④ 不法行為とされた裁判でも、一審と二審で判断が異なるケースが多数。法律の専門家でも意見がわかれるのに、一般人に十分予測可能とは言えない。
4. 解散命令は、厳格な審査基準(LRA等)に違反
【東京高裁】
① 「やむにやまれぬ(重大な)公益」として、不相当献金等勧誘行為等による献金により、公共の利益が損なわれた。
② 「明白かつ現在の危険」として、「解散の必要性は、すでに発生した被害の回復ではなく、信者らが不相当献金勧誘行為を行うことを防止するため」とした。
③ 「万物復帰」、「エバ国家」、「母の国」「文鮮明や抗告人の幹部の発言」などから、信者らが不相当献金勧誘行為を行う可能性が高い
④ 不当寄付勧誘防止法をもってしても、抗告人が抜本的・恒久的対策を講じるとは考えにくい。
⑤ 職員が職を失うといっても、新団体と雇用契約はできるし、雇用保険や生活保護などの社会保障給付を受けられる。
【特別抗告】
① 訴訟のほとんどは、信仰を失った信者が返金を求めるもので、宗教団体という部分社会内部における私益をめぐる紛争であり、一般市民や公益とは関係ない。
② 「泉佐野市民会館事件」で、「明らか差し迫った危険の発生が具体的に予見」が必要とされた。抗告人は過去6年間で訴訟は一件もなく、高裁決定はすべてが事実及び証拠に反する推測である。
③ 特定の宗教の教義等の意味及びその全体像を知らない裁判所が、一部分を恣意的に切り取り、信仰に直接かかわる教義等に世俗的に解釈・判断することは許されない。(板まんだら事件)
④ 現決定は、「信者らがコンプライアンス宣言後も不相当献金勧誘行為を継続的に行っていた」と断じたが、最近6年間で具体的な不法行為は一つもなく、どこまでも仮定と推測で断定する。
⑤ 解散命令により反社会的団体との公のレッテルを貼られれば、信者らがこれまで以上の厳しい社会的差別・疎外や迫害を受けることは容易に想像できる。
5. 非訟事件手続きは公開裁判原則に違反
【東京高裁】
憲法82条は、訴訟事件についての裁判のみを指す。解散命令裁判は、純然たる訴訟事件ではない。したがって、憲法違反ではない。
【特別抗告】
① 解散命令は、国が宗教法人に対して解散という不利益処分を命じることが許容されるか否かという「法律関係の存否」に関する国と宗教法人との間の争訟である。解散を命じるのは「国」であって、それが行政庁であるか裁判所であるかは関係ない。
② 解散命令の処分権限を裁判所に与えたのは、信教の自由保障の見地から、行政上の裁量によって宗教法人に対して解散命令がなされることがないようにするため、裁判所に解散命令の権限をゆだねた。訴訟事件か否かの問題ではない。
③ 信教の自由の保護のために裁判所が権限を持ったのに、行政処分なら認められる取り消し訴訟による公開裁判を受ける権利を失うのは、憲法の趣旨に反する。
④ 立法によって、憲法で保障された公開裁判を受ける権利を失うのは、憲法の上に立法を置くもので、憲法を最高法規とする原則に反するものである。
6. 解散命令の決定は裁判の基本構造から逸脱
【東京高裁】
具体的行為事実を特定・認定しないまま、「コンプライアンス宣言後も、不法行為に該当する不相当献金勧誘行為を継続して行った」という事実認定をして解散命令を行った。
【特別抗告】
裁判の基本構造は、
① 事実の特定
② 事実の証明
③ 事実の認定(証拠裁判主義、自由心証主義)
④ 認定事実に対する規範的評価
⑤ 法律上の効果
原決定は、①~③の過程を経ないで、裁判所がいきなり④の評価判断をしている。
裁判官が行う自由心証による判断の対象はあくまで事実の真実性であり、事実認定の先にある規範的評価(不法行為該当性など)ではない。
原決定には、裁判の基本構造から外れ、証拠裁判主義に違反し、自由心証主義を逸脱した。
堂々とした論理です。
信教の自由の侵害の事実を、きちんと記録を残す必要があります。
説明資料はこちら
https://www.ogasawara-church.jp/wp-content/uploads/2026/03/7e639904b51c96393c4315c2fe34d2dd.pdf
動画はこちら
https://youtu.be/08uU6ghIJpc

