左翼の戦術と全国弁連

私は、大学時代に原理研究会に入りました。今から40年も昔のことです。略称を「原研」というのですが、左翼学生たちは「原理研」と言っていました。学生運動のピークは過ぎていましたが、共産党の学生組織である民主青年同盟(民青)や、民青とは一線を画す新左翼が共闘する反原理共闘、それらと連携する学生寮自治会など、学内は左翼学生の巣窟でした。
「共産主義は間違っている」と叫ぶ原研は左翼学生の攻撃の的になっていて、殴る・蹴る、立て看板を壊す、学内演説を妨害する、学生祭から排除するなど、暴力の無法地帯となっていました。
私はそのような環境で、左翼の戦術とはどういうものか、身をもって知りました。
簡単にまとめると、次の通りです。

【左翼の戦術】

①レッテルを貼る
まず、攻撃対象にレッテルを貼ります。レッテルの内容はなんでもよいのですが、できるだけ立証しにくく、インパクトがあるものが選ばれます。当時は、「原理研=公安警察のスパイ」「原理研=KCIAの下部組織」などというのが使われていました。
今となってみれば、拉致監禁問題を放置する警察が統一教会の味方であるはずはなく、統一教会はKCIAが作ったという話も今ではだれも信じていませんが、当時は繰り返し宣伝されました。

②シンパを増やす
左翼は数を頼みます。そのために、協力者を増やすことに余念がありません。これを「オルグ」活動と言って、左翼の重要な活動方針です。正しいことなら、一人ででも訴えるべきですが、左翼は集団を作って、デモや示威行動をします。

③弱者の味方を装う
左翼は、弱者の味方であることをアピールします。しかしその真意は別のところにあって、組織拡大や敵の攻撃のために、正義の味方を装うのです。これが大衆化戦術であり、弱者の味方であると訴えることで、大衆の同情心を呼び込むのです。

④目的のために手段を正当化する
左翼の発想では、目的は手段によって正当化されます。暴力にも、良い暴力と悪い暴力があり、それは目的によって決まります。共産党がいまだに暴力革命路線を放棄していないのはその典型例であって、革命のためには暴力が許されるという考え方が根底にあるのです。旧ソ連やロシア、中国共産党がやってきた大量虐殺を見れば、よくわかります。

さて、現在家庭連合の解散を画策する全国弁連のブラックプロパガンダを見ると、これらの要件が見事に当てはまります。

【全国弁連】

①レッテルを貼る
「統一教会=カルト・反社会的団体」というのは、全国弁連が一貫して使っているレッテルです。
一昨年の安倍元首相暗殺事件以降、マスコミも政治家も、このレッテル貼りに踊らされている状況です。岸田首相は、早々に「旧統一教会=反社会的団体との関係断絶」を打ち出しましたが、それが現在自分の首を絞めているというのは皮肉なものです。

②シンパを増やす
全国弁連は、政党では立憲民主党、宗教団体では日本基督教団を仲間にしています。
また、家庭連合および友好団体からの訴訟に対しては、数十人もの弁護団で公判に臨みます。私も傍聴席で実際に見ましたが、ただそこにいるだけで何もしない弁護士たちは、何のためにそこにいるのか不思議です。しかし、数を頼むという左翼の戦術と考えると、理解ができます。

③弱者の味方を装う
全国弁連は、家庭連合の被害者救済を謳っています。しかし、本当に救済が目的なら、家庭連合を解散させる必要はありません。むしろ生かしておいて、きちんと弁済させればよいわけです。解散させてしまったら、債務名義があるなど確定債権を持つ人以外は配当を受け取れませんから、被害者という方々のほとんどは、何も手に入れられません。法律の専門家である全国弁連は、最初からそんなことはわかっていて、家庭連合を潰すために被害者救済を名目にしているのです。

④目的のために手段を正当化する
家庭連合の拉致監禁においては、監禁罪が成立しますが、全国弁連はこれを問題視しないどころか、脱会者の踏み絵訴訟の代理人となっています。
彼らは拉致監禁を保護説得と言い換えて誤魔化しますが、それも正当化のためのレトリックです。

若いころから左翼学生と対峙してきた者からすると、全国弁連のブラックプロパガンダは、左翼の戦術そのものに見えます。彼らは家庭連合を招待隠し伝道と言って非難しますが、それは自分たちが本音を隠して被害者救済を名目にして家庭連合潰しに奔走していることの、裏返しなのです。