原理講論の重要性について

家庭連合の教義の中心的な本と言えば、劉孝元氏が書き、1966年(日本語版は1967年)に刊行された原理講論です。
最近、家庭連合の外部の方々によって、原理講論が家庭連合内で否定されているかのような誤った情報が流されているようなので、私なりの見解を書いておきたいと思います。

結論として、家庭連合の教義について説明した本としての原理講論の意義と価値は、何ら変わることはありません。

原理講論は、神の創造と、人間の罪、そしてその救済について、理論的に解説しています。そして人類を救済するためには、「真の父母」が必要である、と書いています。
「イエスは自ら神を中心とする実体的な三位一体をつくり、霊肉共に真の父母となることによって、堕落人間を霊肉共に重生させ、彼らによって原罪を清算させて、神を中心とする実体的な三位一体をつくらせるために再臨されるのである。」(第7章第4節「重生論と三位一体論」)
https://ffwpu.family/library/divineprinciple/christology

ところが、家庭連合における最重要キーワードとも言える「真の父母」という言葉は、原理講論ではここにしか登場しません。
そして、「真の父母」についての詳しい説明は書かれていないのです。
それはなぜかと言えば、書かれた時代区分が違うからです。

家庭連合では、1994年5月1日、世界基督教統一神霊協会の設立40周年の日に、世界平和統一家庭連合が創設され、旧約時代(ユダヤ教)・新約時代(キリスト教)から、成約時代に節理が移行したとしています。そして成約時代の中心は、イエスの再臨たる文鮮明・韓鶴子ご夫妻、即ち真の父母だとしています。
https://ffwpu.family/peacemessages/peacemessages14

つまり、原理講論が書かれたのは成約時代の前の時代であり、従って成約時代の中心的な内容である「真の父母」については、具体的なことを書くことができないのです。
実際、原理講論の総序は、このような言葉で結ばれています。

「ここに発表するみ言はその真理の一部分であり、今までその弟子たちが、あるいは聞き、あるいは見た範囲のものを収録したにすぎない。時が至るに従って、一層深い真理の部分が継続して発表されることを信じ、それを切に待ち望むものである。」
https://ffwpu.family/library/divineprinciple/introduction

それでは、原理講論は新しい時代において、意味がなくなったのでしょうか?それは間違いです。
キリスト教は、ユダヤ教の経典である旧約聖書を、過去の遺物として無視しているでしょうか?私の知る限り、キリスト教徒は旧約聖書も新約聖書も、全く同じ神の啓示の書として生命視しています。
同じように、私たちは原理講論を深く学ぶ必要があります。もちろん、旧約聖書・新約聖書も同様です。

もちろん、原理講論自体に書いてあるように、新しい時代には、新しいみ言が発表されますから、私たちはそれを学ぶ必要があります。
しかし、それは原理講論を否定するものではなく、むしろ原理講論の正しい理解を前提としなければ、理解することができないのです。

私たちは、家庭連合の教義を知らない人々の表面的な誤った情報に惑わされることなく、私たちが学ぶべきものを、正しく理解する必要があると思います。