宗教法人審議会の議事録等は原則公開

昨日の記事に関連することですが、宗教法人審議会の議事録または議事要旨(以下、議事録等)に関しては、「宗教法人審議会の議事等について(申合せ)」(以下、申合せ)が存在し、その第1条で原則公開であると定められています。
1 本審議会の議事録は、下記2に係わる審議を除き、原則として公開することとする。
2 行政処分及び審査請求並びに宗教法人法第78条の2の規程に係わる審議については、原則として議事要旨を公開することとする。
これによれば、家庭連合に対する質問権の行使についても、議事録でなくとも議事要旨は公開する必要があります。

ただし、ここに条件が付されています。
4(4)「議事録等は事務局において作成し、原則として、全委員の確認を得た後、すみやかに公開するものとする。ただし、会長が必要と認めるときは、審議会に諮った上で、必要な期間、議事録等の一部又は全部を公開しないことができる。

これに基づいて、家庭連合に係わる質問権の行使について、議事録等が非開示となっているわけです。

ここで注目すべきは、申合せの最終改定日が、今回非開示とされた第181回審議会の開催日である2022年11月21日となっていることです。
また、申合せの最新版は、宗教法人審議会の議事録開示請求日(2023年9月8日)後に文化庁のHPにて公開されたもので、それまでは改定の事実すら公表されていませんでした。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/shukyohojin/pdf/93962101_02.pdf

ではどこが改定されたかと言えば、既に公開されている第2021年1月22日の申合せの改定案を見ればわかります。
4(4)が、「議事録等は事務局において作成し、原則として、全委員の確認を得た後、すみやかに公開するものとする」となっていて、「ただし、会長が必要と認めるときは、審議会に諮った上で、必要な期間、議事録等の一部又は全部を公開しないことができる」という文言がありません。
即ち、「ただし」以降が、第181回審議会で追加されたことがわかります。

これは、文化庁のHPに公開されています。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/shukyohojin/pdf/93107701_04.pdf

つまり、質問権を行使するために、文化庁の都合のよいように申合せが改定され、しかもその事実が1年近く発表されず、改定にあたっての議事録も非公開だということなのです。
申合せの議事録等の公開について一定の制限をかけるという規程改定は、宗教行政上の大きな変更です。
これは質問権とは関係なく全ての議事録等に適用されるものですが、改定の事実やそのプロセスが公開されないということは、文化庁の対応が非常に恣意的なものであると言わざるを得ません。
宗教法人審議会は、信教の自由の在り方を審議する重要な機関であり、今回のような宗教行政の根幹に関わるような規程改定は、適正な手続きと情報公開が必要ではないでしょうか。