今日、誰のために生きる?
作家のひすいこうたろう氏と、ペンキ画家のSHOGENさんの共著で、SHOGENさんがアフリカのタンザニアで人生観が大転換された経験について書いています。
タンザニアには、ティンガティンガというペンキで描いた絵があります。妻はこの絵が大好きで、我が家にも飾ってあります。タンザニアに行った人からもらったのです。
この本は妻から勧められて読みました。
SHOGEN氏は、大学を卒業して営業の仕事をしていましたが、ある日ティンガティンガの絵に出会って衝撃を受け、会社をやめてティンガティンガの絵の勉強をしにアフリカに行きました。そしてタンザニアのブンジュ村に住むティンガティンガ作家の家に滞在することになるのですが、そこに住む人たちは、とても心豊かな人々でした。
なにしろ、水道もガスもありません。電気は一日3、4時間位使えますが、あとは不通になります。日本人から見たらとても不便な生活ですが、村の人たちは、家族を越えてお互いにすべてを共有し、何よりとても幸せそうです。朝の挨拶は、「今日、誰のために生きる?」というのです。
ブンジュ村の人々は、どうしてこのようなコミュニティを作っているのでしょう。その答えをSHOGENさんは村長から聞いて、驚きました。なんと村長は、縄文時代の日本人が夢枕に現れて、全てを教えたというのです。昔の日本人は自然と共に生きていて、縄文時代の1万4千年間、争いもなく生きていました。その生き方が、アフリカの無名な村に、引き継がれていました。当の日本は、争いを覚え、大きな戦争まで経験して、今も何かに追われるように生きている。いにしえの日本人の生き方を、見つめ直してもいいのではないか、というのが著者の結論です。
絵を見ながら、私たちのルーツである縄文時代の日本人に、思いを馳せてみようと思います。