消費者庁報告書による解散命令請求の示唆

家庭連合に対する解散命令請求については、申し立てた文部科学省がクローズアップされていますが、政府の中で最初に解散命令請求を示唆したのは消費者庁です。

文部科学省は、解散命令の請求申し立てについては消極的であったと言われます。
しかし、消費者庁の審議会である「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」は、2022年10月17日に発行した「報告書」において、総論の一番目として、解散命令請求を視野に入れた報告徴収権及び質問の権限を行使すべきと結論づけました。https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/review_meeting_007/assets/consumer_policy_cms104_221014_09.pdf

そもそも宗教行政の専門家ではないはずの検討会委員が、宗教法人法について触れているかと言えば、そこに全国弁連の紀藤正樹弁護士や、マインドコントロール論者の西田公昭教授が委員として参加しているからです。
委員を選定したのは河野太郎消費者庁大臣(当時)です。外務大臣、防衛大臣まで勤めながら、2021年の総裁選で敗れて大臣を降りた後、2022年8月10日の内閣改造で消費者庁担当大臣として内閣に返り咲いた河野大臣は、どんな思いで本件に取り組んだのでしょう。

ともかく、家庭連合に長年敵対し、拉致監禁に係わるなど問題ある団体から委員を選定した時点で、人選に公正性を欠いています。その結果、報告書自体が、「信教の自由」という重要な問題を扱う文部科学省に対して、解散命令請求を申し立てるよう仕向けるという、越権行為ともいえる報告書になっているわけです。

その後の展開は、日々報道されている通りです。
10月17日付の報告書を手にした岸田首相は、その日のうちに質問権の行使を永岡文部科学省大臣(当時)に指示。おそらく、質問するだけなら大きな問題はないと思っていたと思います。
10月18日には、前週金曜日に閣議決定したばかりの、「宗教法人の解散命令請求の要件には民事事件を含まない」という見解を、国会で答弁。この時点では、岸田首相はまだ解散命令の請求をしようと本気では思っていなかったのでしょう。
しかし、10月19日には野党から入れ知恵され(と小西洋之参議院議員が言っている)、「民法の不法行為」も含まれると答弁を変更。これで、岸田首相は後に引けなくなってしまいました。
https://twitter.com/sayu_nt/status/1714765702660501910/video/1
こんなドタバタ劇を見て、反対派も驚いたでしょうが、ともかく狙った通りに物事が動いているというわけです。

そして、11月22日には、第1回目の質問権行使。その後7回の質問権が行使されました。
2023年9月7日には、過料通知。
2023年10月13日には、解散命令請求の申し立て。

家庭連合を潰したい反対派、視聴率を上げたいマスコミ、支持率を上げたい政治のトップが、それぞれの思惑を胸にしながら手を組んで行政を動かし、当事者の一方である家庭連合やその信者の声には耳も傾けず、一方的に宗教団体潰しに邁進しているというのが、現在の状況です。
ここには、行政が本来守るべき、「信教の自由」に対する配慮は、みじんも感じられません。

我が国におけるこのような宗教軽視の行政は、改められるべきです。