財産保全法の対象となる被害額

家庭連合の解散命令請求により、財産保全法案が検討されています。その趣旨は、財産を保全しなければ、被害者の救済ができなくなる、ということです。
しかし、その救済額とはいったいいくらなのでしょうか?

盛山正仁文部科学相が示した被害規模は計約204億円(約1550人)とのことですが、これらには和解済のものや、過去のものが含まれます。
全国弁連が進める「集団交渉」で集計された被害額も含まれますが、これらには、時効で消滅したものや、除斥期間にかかるものが含まれます。

この点を、世界日報で報じています。
https://www.worldtimes.co.jp/opinipn/editorial/20231023-175752

消滅時効は、民法166条第1項第1号・2号で定められています。即ち、債権を行使できることを知った時から5年、行使できるときから10年で、債務者が時効援用すると、債権は消滅します。
また、除斥期間は20年で、同法166条第2号で定められています。即ち、債権発生から20年たつと、債務者が時効援用せずとも、債権は消滅します。
全国弁連の集団交渉では、平均で25年も前の献金について請求されているそうですから、相当額が除斥期間にかかって、請求権は消滅しているものと思われます。
https://blog.goo.ne.jp/05tatsu/s/%EF%BC%92%EF%BC%95%E5%B9%B4
つまり、被害額は相当に水増しされている可能性があるのです。

一方で、家庭連合は、個別的な相談については、あえて時効を援用せず返金にも応じるなど、真摯な対応を行っています。そうすると、「家庭連合が財産を移転して被害者が救済できなくなる」とは、一体何を根拠に主張されているのでしょうか。
このような実態については一切議論されずに、一方的にどうしたら宗教団体の財産を凍結することができるのか、などと議論するというのは、民主主義国家ではありえないことだと思います。