NHKの宗教ヘイト番組

NHKが9月23日に放映した「危険なささやき」を視聴しました。過去の裁判の事例をモデルにして、統一教会に入会した後に退会した主人公のエピソードを語るのですが、これは「旧統一教会」を名指しした、マスコミによる宗教ヘイト番組(以下、番組と言います)です。

番組は、主人公のこんな独白で始まります。
「人に騙された詐欺の被害に遭った人のことをバカだな、気の毒な人だと思っていませんか。だまされる方が悪い、自分なら絶対に騙されない、関係ない話だって思っていませんか。私も同じでした。だからまさか自分が人に操られるままに人生の重大な選択をしてしまうなんて夢にも思っていませんでした。」
そしてナレーションが続きます。
「なぜ人は騙されるのか、なぜ心を操られるのか。相手は正体を隠し、あなたに忍び寄ってくる。霊感商法や高額返金が社会問題となってきた旧統一教会、その元信者の女性が今回の主人公。なぜ彼女は入信し、率先して教団の資金集めにかかわったのか。」

この冒頭の部分を聞いただけでも、番組が、統一教会に入会する者は全て騙されて操られた人間であると決めつけ、宗教に対する偏見に満ちた内容であることがわかります。

私が、番組が宗教ヘイトであるという理由は、下記の通りです。

①伝道を詐欺と断定している
宗教団体において、布教活動(家庭連合では伝道と呼びますので、以下伝道と言います)は、信仰生活における重要な要素です。これは家庭連合に限ったことではなく、宗教団体全般に共通することだと思います。伝道を通して、神が人間を一人一人尋ねて、愛とみ言葉を伝えようとした心情を追体験できるからです。
ところが、番組ではその要素がごっそり抜け落ちています。伝道は詐欺行為だとする番組の主張は、宗教の大切な要素を頭から否定し侮辱するものです。

②コンプライアンス宣言以前の問題である
かつて統一教会が、伝道のアプローチとして、手相や姓名判断などを行ったことはあったと思います。しかし統一教会は2009年にコンプライアンス宣言を行い、代表者が謝罪会見を行なって辞任して以降、伝道する際は、統一教会(現在は家庭連合)であることを名乗っています。
番組では、このコンプライアンス宣言について、何も伝えていません。主人公が伝道されたのは、1987年という設定なので、30年以上も昔の話です。コンプライアンス宣言以降、マスコミは統一教会に関する報道を一切しなかったのに、ここに来てコンプライアンス宣言以前の話を蒸し返すのは、意図をもった番組であると言わざるを得ません。

③信者の名誉を傷つけている
番組では、主人公は自分で考えることができず、誰かからコントロールされているという設定ですが、これは信者の自主的な信仰を貶め、名誉を傷つけるものです。ここまで世論で迫害され、それでも信仰を続けるのは、しっかりした自分の考えと信念がなければ、できるものではありません。家庭連合の信者は、一人一人が誇りをもって信仰生活を続けているのです。

④誤ったマインドコントロール論に沿って解説されている
マインドコントロール論は、非科学的な理論であることがわかっており、「カルト」と共に宗教ヘイトで使用される言葉です。今回番組に、日本にマインドコントロール論を展開する西田教授を招いて解説させていますが、内容が非常に偏ったものとなっています。

⑤反対派による拉致監禁問題に触れていない
番組の設定では、主人公の離教のきっかけは親族による説得です。番組では、極めてマイルドに表現されていますが、番組に登場する郷路征記弁護士は、統一教会信者に対する拉致監禁による強制棄教に関わり、離教者の訴訟の代理人をしている人物です。統一教会について報道するのであれば、拉致監禁問題は避けて通ることができない人権問題であるにも関わらず、番組では一切これに触れてられていません。やはり公平な番組という事はできません。

以上の理由から、番組は宗教ヘイト(特定の宗教に対する差別的取扱い等を扇動する宗教的憎悪の唱道)であると言わざるを得ません。
NHKは、信者も含めた国民から受信料を受け取る公共放送の器であることを鑑み、このような番組作成の方針を即刻辞めるべきです。