死後の世界について

人間が死んだら、その後の世界はあるのでしょうか。死後の世界はあると思う人、無いと思う人、わからないと思う人、その答えは様々と思います。

私にも正解はわかりません。家庭連合の教義では、明確に死後の世界はあるとしており、それを霊界と言っています。統一原理では、「無形実体世界」として定義しています。目には見えないけれども、実存するという意味です。霊界を見たと言う人もいますが、私は見たことはありません。

ただ、霊界があると考えて生きる生き方と、無いと思って生きる生き方では、生きていく上での姿勢が変わってきます。だから、霊界があるかないか、実は大きな問題です。

霊界があるとすれば、それは思ったことが全て表に現れる世界です。何しろ目に見えない世界であり、人間の魂しかないわけですから、隠すことができません。そうすると、地上で人のために生きた人は、その高潔な人格が表に出ますが、人を裏切ってきた人は、その卑しい人格が晒されてしまうわけです。

霊界が無いのであれば、何も恐れることはありません。死ねば全てが無くなり、リセットされるからです。地上で何をしようと、バレなければいいのですから、良心は関係ありません。しかし、霊界があるとすると、死んでもリセットされず、永遠に自分が犯した過ちと向き合い続けなければなりません。

天国と地獄という話があります。天国は天候も穏やかで快適な場所ですが、地獄は業火で苦しい場所だというイメージがあります。しかし霊界そのものが、2つに分かれているのではありません。生前の行いによって、同じ場所にいても、ある人にとっては心地よく、ある人にとっては辛い場所なのです。

私は霊能者ではなく、霊界の存在が見えるわけではありません。しかし、よい行いをすれば、気持ちがいいことを実感するし、人を裏切れば良心の呵責にさいなまれます。霊的には、霊界を認識している、ということなのかもしれません。

そうであるならば、死後の世界があると思って、良心に照らして恥ずかしくない行いをするよう生きていく方が、よい人生を送ることができるのではないでしょうか。「誰も見ていなくても、お天道様は見ている」というのは、そういうことではないかと思っています。