よくわかる勝共理論

家庭連合の特徴は、共産主義を理論的に克服できる、勝共理論を持っていることです。この本は、勝共理論を、わかりやすく解説したものです。

共産主義は、言葉をそのまま解釈すると、生産手段を共有する主義、といえます。人間社会の生産力が向上するに従って、社会の構造が変化してきましたが、それは科学的な帰結である、という考え方を、マルクスとエンゲルスが体系化したものです。

マルクスの共産主義は、経済理論のみならず、哲学理論、科学理論、歴史理論、経済理論、政治理論から構成される、膨大な理論体系です。

哲学理論である、人間疎外論において、マルクスは、資本が人間の本質を疎外すると言っています。また、唯物的弁証法においては、ヘーゲルが提唱した弁証法を、対立する理念の闘争として、組み替えます。

科学理論である唯物論においては、神の存在を徹底的に否定します。そのため、共産主義は、戦闘的無神論とも言われます。ダーウィンの進化論も、その後押しをしました。

経済理論である資本論により、経済は労働者の労働価値を資本家が搾取するものであるとして、労働者は、革命によって、資本家に奪われた価値を、取り戻さなければならない、といいます。

歴史理論である唯物史観により、人類歴史は階級闘争により発展してきたとし、最後の階級闘争が労働者階級(プロレタリアート)と資本家(ブルジョアジー)の闘争であるとし、革命を正当化する理論としました。

そして、政治理論として、共産党による一党独裁という政治制度を作り上げ、それに従って、レーニンがソ連を建国、毛沢東が中華人民共和国を建国しました。

これら一連の理論体系が、マルクス・エンゲルスが作り上げた共産主義という理念であり、一時は世界の半分の国家が、共産主義国家になりました。しかし、その結果、共産主義国家では、反対する者に、反革命というレッテルを貼って、1億人以上の人々が粛清の犠牲となりました。そして、共産主義国家では経済が崩壊し、20世紀の最後には、ソ連が解体、中国が資本主義的経済制度を採り入れ、共産主義国家はなくなったかに見えます。

しかし、神を否定する共産主義思想は、そのまま残っています。むしろ、文化共産主義という、まぎらわしい形で、私たちの生活に浸透してきています。
それは、家庭制度を崩壊させ、個人をバラバラにしようとするものであり、神が願う、人類一家族という理想(One Family under God)とは、正反対のものです。

勝共理論は、共産主義の本質を見抜き、それに対する代案を、理論的に提示するものです。
私は、家庭連合の信者として、勝共理論を伝え、共産主義の脅威を、訴え続けていこうと思います。