質問権の行使
永岡文部科学大臣は、11月11日に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する、宗教法人法に基づく質問権を行使する考えを表明しました。質問権は、裁判所に解散請求を提出することを前提としたものですから、相応の根拠がなければできないことです。
組織的な不法行為を行ったと認定した民事判決が2件、民法上の使用者責任を認めた判決が20件あり、損害賠償額も少なくとも約14億円に上るということです。
民法上の使用者責任というのは、従業員の不法行為に係る損害賠償請求権に対する、法人の連帯責任のことですから、実質的に組織的な不法行為は2件のみです。このような民事訴訟は、世の中にいくらでもあり、それをもって法人を解散できてしまうとすれば、国家が任意の団体を解散に追い込むことができる、ということになります。
宗教法人として、民事訴訟を起こされるということ自体、恥ずかしいことであり、徹底的に改善を要することは、論を待ちません。しかし、今回の解散請求は、宗教法人に限ったことではなく、政党や、事業会社など、あらゆる法人にも適用可能な理屈です。
法治国家として、適正な行政権の執行を望むものです。