日本の思想
1961年に丸山真男が書いた本です。エッセーと講演文から構成されています。日本人の文化や発想が、どのように醸成されてきたのか、分析しています。
文章は相当に難解で、おそらく私はその何分の一も理解できませんでした。ただ、当時は思想としてマルクス主義が席巻していた時期ですが、それも含めて日本がどのように海外の思想を取り入れ、それでも変わらないものがあると、言っているようです。
「おわりに」に、日本文化は雑種文化であるが、それは互いに交わらずに、ただ空間的に同時存在しているという、雑居文化だ、というような下りがあり、確かにそうかもしれない、と思いました。多様性と言われますが、本当に互いに理解しようと努力しなければ、「否定的な同質化(異端の排除)」作用」となってしまいます。
いろいろと考えさせられます。