ヨーロッパ文化と日本文化
16世紀のポルトガルの宣教師 ルイス・フロイスが書いた、西洋と日本の生活習慣を対比させた本です。本屋でたまたま見かけて、読んでみました。ルイス・フロイスは、織田信長が活躍した時代に日本に来て35年間過ごし、長崎で一生を終えました。400年も前の西洋人の目に、日本はどのように映っていたのか、とても興味深く読みました。
当時の西洋は、キリスト教による厳格な倫理観があり、例えば「西洋では、未婚の女性の最高の栄誉と尊さは貞操であるが、日本の女性は処女の純潔を少しも重んじない」(P39)、と書いてあります。
寺院に対しても、「我々は、人は罪の償いをして救霊を得るために修道会に入るが、坊主らは逸楽と休養の中に暮らし、労苦から逃れるために寺に入る」(P70)と、手厳しく批判しています。
一方で、「われわれの子供はその立ち居振る舞いに落着きがなく優雅を重んじないが、日本のこどもはその点非常に完全で、全く賞賛に値する」(P66)と、書いています。
これらの記事を、現代の価値観で評価することはできませんが、海外から見える日本と、日本人に見える日本には、常にギャップがあることは、現代にも通じることなのかもしれません。
海外から見ても、立派と思われるような、日本の伝統的な文化を、大切にしていきたいものだと思います。