国家(上)

ギリシアの哲学者 プラトンの代表作で、ソクラテスの弟子です。この本は、ソクラテスが多くの人々との対話するという形式をとりながら、プラトンの哲学を体系化したもので、今から2400年前に書かれたものです。

対話形式なので、読みやすいのですが、理解するのはなかなか難しいです。

プラトンは、現実世界を超えた理想を想起し、その理想に基づいて政治を行うことができる哲人が、国家運営を行うべきだ、と主張しているのだと思います。

それに対する政治体制として、民主政治や専制政治を取り上げますが、このような政治は過度な自由や、過度な圧政を招くとしています。

理想の能力を持つ哲人に、全面的に政治を任せるというのは、おそらく困難です。理想的な人間による政治など、プラトンの後2400年間無かったのですから。現在は民主主義が正しいとされていますが、いまだに多くの矛盾も含まれています。

国家は、どのように統治されるべきか、ギリシャ時代にこのような理論体系があったことは、驚くべきことです。
現代にも通じる考え方があると思いますし、少しでもよい国をつくるために、不断の努力が必要だ、ということだと思います。