日本の未来と家庭再建(2) 非婚化・晩婚化について

2019年12月の厚生労働省の人口動態統計では、1年間に生まれた子供の数が初めて90万人を割り込み、86万人4000人となりました。終戦直後の団塊の世代はピークで約270万人ですので、1/3以下に落ち込んだわけです。この傾向は更に進む見込みで、このままでは、地方の過疎化が進み、社会保障制度が維持できなくなります。

戦後、核家族化が進んだことも原因として挙げられますが、さらに言うならば、家族を形成する以前の問題として、非婚化・晩婚化が進んだということがあげられます。結婚した夫婦は、平均して2人の子供を産んでおり、この傾向はあまり変わっていません。お母さんは頑張っているのです。

出生率の減少の大きな原因は、結婚しない人の割合が増えていることです。2015年時点で30~34歳の未婚率は、男性47%、女性34%に達します。昭和25年時点では、ほとんどの男女は30代前半で結婚していました。もう一つの変化は、離婚の増加です。昭和45では10組に1組が離婚していましたが、2019年には3組に1組が離婚しています。離婚即ち少子化ではありませんが、子供たちが結婚に対してネガティブな思いを抱く原因になりかねず、さらに子供たちの養育環境にも影響があることは事実です。

これら非婚化・晩婚化、離婚の増加が、少子化の原因になっていることは数字から明らかです。現実を客観的に見ることは大切であり、私たちがこの問題にどう取り組むのか、次の世代に対する責任でもあります。