神と霊界
私が学生時代、統一原理に出会って思ったのは、神と霊界が本当にあるとするならば、人生観が変わるということです。
人間が神に創造された存在なら、生きる意味を人間だけの思考で探したって、わかるわけがありません。
また、もし霊界が実在し、永遠の命というものがあるなら、この世での生き方が、根本的に変わってしまいます。
統一原理が提示した、「人間は神に創造された」、「霊界は実在する」、という2つの命題は、統一原理だけが言っているのではなく、内容や表現はともあれ、宗教が人類歴史を通じて問題提起してきたものです。統一原理は、それをより理論的に説明したに過ぎません。
学生時代の私が出した結論は、この2つの命題が正しいかどうかは、実際に信仰し、実践してみなければ、わからないというものです。何事も、まずやってみて、違っていたら、やめたらよい。それは投資のようなものだけれども、それだけの価値がある命題だ、と思ったわけです。
結果的に、私は40年間信仰を続け、祝福結婚も受けて、子供も授かりました。その間、神と霊界の存在を実感することは何回もありましたが、存在しないと感じることは、ありませんでした。今回のような、家庭連合に対する逆風は何回もありましたが、それとても神と霊界の存在に対する反証にはなりません。
私のような理屈っぽい人間は、あまり宗教には向いていないのかも知らないけれど、多くの出会いがあって、豊かな人生を送ってこられたことが、信仰を続ける意味なのかもしれません。
モノの豊かさだけではない、心の豊かさを求めるのが宗教であるならば、宗教が人類に対してもたらしてきた恩恵は大きなものだし、宗教は教派を問わず、人類全体の財産だと思います。そして、宗教の自由の尊重は、そのような財産を守るための、人類の偉大な知恵なのではないでしょうか。