高市首相 国連憲章の敵国条項削除発言 日本にとって当然の主張

高市首相が国連総会で「旧敵国条項」の削除を求めたことが報道されています。ここでは、その内容を見ていきたいと思います。
https://www.fnn.jp/articles/-/1119406

たとえばFNNプライムオンラインは、「高市総理が国連総会で初演説 ICC『一貫して支持』 拉致問題『一刻も早く解決』 敵国条項『早急に削除を』」という見出しで報じています。記事によると、高市総理は、日本などを敵国とした国連憲章の「旧敵国条項」について、「早急に削除されるべきだ。国連の取り組みに大きく貢献してきた日本の誇りと名誉にかけて強く申し上げておく」と述べました。

では、この「旧敵国条項」とは何でしょうか。中心となるのは国連憲章の第53条です。
https://www.unic.or.jp/info/un/charter/text_japanese

少し長くなりますが、内容は次のとおりです。

「第53条
1. 安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記の地域的取極又は地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基いてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。
2. 本条1で用いる敵国という語は、第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。」

安全保障理事会は、紛争解決のために武力を使うことを許可する。ただし例外があり、敵国による侵略に対しては、全保障理事会の許可がなくても行動してよい、ということです。

ここでいう「敵国」とは、第二次世界大戦中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国を指します。国名が具体的に書かれているわけではありませんが、日本、ドイツ、イタリアがこれにあたります。

日本の立場からすれば、削除を求めるのは当然のことです。第二次世界大戦が終わり、国連は具体的な活動を始めているのですから、当時の交戦関係はいったんリセットされるべきです。それにもかかわらず、この条項がずるずると残り続けています。この条項を削除するという国連総会の決議が2005年に採択されていますが、条文はいまだに残っています。

これがどのような影響をもたらしているかというと、中国がこの条項を持ち出して、日本に対してさまざまな難癖をつけているのです。

一方で、高市首相の発言に否定的な意見もあります。たとえば東スポWEBは、「高市首相『旧敵国条項』の削除主張は逆効果 いのちの党副代表『僕はズッこけた』」という記事を掲載しています。
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/404435

記事によると、れいわ新選組(現・いのちの党)の山本太郎氏は、以前からこの条項の削除を求めていました。条項の削除を主張していたのであれば、その点は評価すべきだと思います。

しかし、同党副代表の伊勢崎賢治参議院議員は、「日本政府は死文化しているスタンスで来たのに『まだ有効』ってことを自ら言っちゃった。僕はズッこけた。死文化のまま、放っておけばいい」と述べ、このタイミングで条項に言及したことに疑問を示しています。

これはおかしな話だと思います。削除すべきものは削除すべきだと言い続け、2005年の国連総会決議を守るよう訴え続けなければなりません。それなのに「そっとしておけ」というのは、日本の国益にとって非常にマイナスだと言わざるを得ません。こうした問題については、言うべきことは言い、主張すべきことは主張する姿勢を貫いていくべきだと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/roQrzls4DjY