大川原化工機冤罪事件 日本の人質司法
先日、学士会報が届きました。私も学士会の会員登録をしておりますので、この会報が送られてきたものです。令和8年(2026年)、第980号となります。こちらに、報道でも有名になった大川原化工機の冤罪事件について、当事者である大川原正明社長が論文を寄せています。
これはどのような事件であったかと申しますと、2020年3月11日、大川原化工機は、生物兵器の製造に転用可能な噴霧乾燥機を経済産業省の許可なく不正輸出したということで、代表取締役である大川原正明氏、島田取締役、相嶋顧問の3人が外為法違反容疑で警視庁公安部に逮捕され、東京地検に起訴されたというものです。
しかし、後半を進めていくうちに、検察が無理やりこの事件をいわば捏造して、外為法に何ら違反していないのに犯罪であるということにして起訴した、そのような事件であったわけです。
結局、逮捕された後、相嶋顧問は保釈を何度も請求したにもかかわらず却下され、そのままお亡くなりになってしまいました。世間に衝撃が走った出来事です。
最終的に、起訴事実は認められないということで、裁判所において無罪であることが判明したわけです。その後、大川原社長は国に対して損害賠償請求を行い、1億6000万円が認められました。
何が問題だったのかと申しますと、大川原化工機は乾燥噴霧機を製造・輸出しており、この乾燥機は、例えばインスタントラーメンの粉末のように、液体のものを乾燥させて粉末にするためのものを製造しています。それを中国と韓国に輸出したところ、生物兵器に転用されるという目的で輸出したと見なされ、起訴されたわけです。
一般的な食品用の乾燥噴霧機のスペックと、生物兵器用に製造するためのスペックとは、同じ乾燥機だとしても全然違うものだそうです。食品用であれば、多少の菌はその過程で死滅しなくてもよいそうですが、生物化学兵器で使うためには完全滅菌しなければならない。しかし大河原化工機の製品・機械は、完全滅菌までするような特殊なスペックではなかった。ですから、これは不正輸出と言われるものではないというのが大河原化工機の主張であり、それが裁判で認められたということです。
ここで問題なのは、確かにこのような高度な技術に関するものは、なかなかそれが兵器などに転用されるのではないかと言われても、その時点では分からないことがあるかもしれません。少しでも抵触する恐れがあるのであれば、きちんと輸出許可を得て販売するべきであったのかもしれません。そのあたりの手続きが多少できていなかったのかもしれませんが、それにしても、いきなり起訴し、長期間、1年半だったと思いますが、勾留して自由を奪うという、日本で行われているいわゆる人質司法です。
罪を認めるまでは保釈しない、保釈するのも罪を大体認めた段階で保釈するというようなことになっていた場合に、完全に犯罪ではないと主張していた大川原化工機の役員の方々が、ずっと自由を奪われた状態になっているわけです。これは非常に大きな問題ではないかと大河原社長は主張しており、まさにその通りだと思います。
最後に、大川原社長はいくつか問題点を挙げています。日本の人質司法ということで、取り調べの可視化の必要性、それから弁護人同席は世界の標準であるにもかかわらず、取り調べの際に弁護人の同席が認められなかったこと。3番目に、何でもすぐ逮捕・勾留するということ。4番目に、保釈制度の悪運用。これは要するに、罪を認めなければ保釈を認めないということです。保釈が認められなかったために、相嶋顧問は無罪が確定する前にこの世を去られてしまったわけですが、そういったことを述べています。
その他、8つほど大川原社長は問題点を述べていますが、全くその通りだと思う次第です。
問題の質は全然違うかもしれませんが、私たちの、韓国における家庭連合の総裁である韓鶴子氏も、一審での判決は出ましたが、それまでの間、約1年弱、逮捕・勾留され、本当に健康を崩してしまったということもあったかと思います。
それから、政治的な話で申しますと、例えば立花孝志氏、NHK党の党首ですが、逮捕されてから1年は経っていませんが、10ヶ月ほど経つのではないでしょうか。昨年の11月だったと思いますので、その間、死者に対する名誉毀損という、これまでなかった形での逮捕・勾留が未だに続いており、公判も始まっていないという状況です。とにかく逮捕・勾留してしまえばこちらのものだ、というような手法のあり方は、非常に問題があると私も思う次第です。
やはり司法というのは、きちんと法と証拠のみに基づいて行われるべきものです。有罪が確定してもいないのに逮捕・勾留するという形で、予備実刑的に刑を執行するような形はあってはなりませんし、そういう立場に立った段階で自由な意思で供述などができるのか、人の自由を奪っておいて罪を認めろというような手法のあり方は、やはりおかしいと思います。このような横暴な司法に対しては、強く反対する次第であります。
動画はこちら
https://youtu.be/eA0UF2nUGx4


