形の美しさ

私は個人的な話になりますが、柔道をやっております。今度、昇段審査がありまして、そこで形(かた)の審査を受けることになっています。

柔道には、明治時代に嘉納治五郎師範が制定された、いろいろな形があります。私が今回取り組むのは「極の形(きめのかた)」というもので、刀を使う形です。これはお互いに手順が決まっており、決められた段取りに沿って行います。取(とり)と受(うけ)、それぞれの役をきちんと務めなければならない形になっています。

これは単なる手順としてこなすだけでは、正直つまらないものです。しかし、自分で稽古をしながら、YouTubeなどで演武を見てみますと、やはり美しいなと感じます。

一つ一つの動作に意味があるのです。たとえば、相手が刀を振り下ろしてきたときにどう捌くか、あるいは相手が突いてきたときにどう受けるか。こうしたことが理屈を持って定められています。これを「理合(りあい)」と申します。流れるような形を見ますと、本当に美しいと思わされます。私自身はまだまだこのような境地には至っておりませんが、奥の深いものだと感じております。

日本人として生活していますと、こうした「形」を大切にする場面はいろいろあると思います。朝の挨拶から始まり、何かしていただいたときにお礼を申し上げること。これらは決まりきったものかもしれません。しかし、形に沿って行われるいわゆる礼儀作法というものには、それぞれの言葉、それぞれの行動、それぞれの動きに意味があるのです。

日頃はその意味を考えずに行っているわけですが、振り返ってみますと、そこに日本の伝統文化の深い意味があるのではないかと思います。「形だけにとらわれるな」とよく言われます。しかし、むしろその形の中にこそ、込められた精神的な意味合いがあるのではないかと、つくづく思う次第です。

動画はこちら
https://youtu.be/bC3kkrv9sEs