過激な性教育から子どもを守れ

学校には「学習指導要領」があり、小学校・中学校・高校における教育内容の基準が定められています。現在の学習指導要領は平成29年に改訂されたもので、今後の改訂に向けた検討も進められています。

その中で、性教育に関して、より踏み込んだ内容を盛り込もうとする動きがあるようです。たとえば、一般社団法人人間と性教育研究協議会(性教協)は、いわゆる「歯止め規定」に関する見解を示しています。

【一般社団法人”人間と性”教育研究協議会見解】
https://seikyokyo.org/information/1397

この歯止め規定とは、学習指導要領にある次のような記述です。

「わたしたちが問題だと考えている「はどめ規定」は性教育に関係する次の二つです。
 小学校5年生の理科「B 生命・地球」「(2)動物の誕生」の「(内容の取扱い)」という欄に「(3) 内容の『B生命・地球』の(2)のウ(注:人は、母体内で成長して生まれること)については、受精に至る過程は取り扱わないものとする」とある記述。
 中学校保健体育保健分野「(4) 健康な生活と疾病の予防」、「3内容の取扱い」、「内容の(1)(心身の機能の発達と心の健康)のイ(思春期には,内分泌の働きによって生殖にかかわる機能が成熟すること。また,成熟に伴う変化に対応した適切な行動が必要となること)については、妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から、受精・妊娠を取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする」とある記述。
 どちらも意味が明確ではない記述ですが、学校教育の現場では「小中学校では、卵子と精子が出会う生命のはじまりにかかわる行為としての性交を教えてはならない」という内容だと理解されています。」

性教協などは、学校現場において「性交について教えてはならない」という内容として理解・運用されていることを問題視しているわけです。

また、日本弁護士連合会も、学習指導要領の改訂に当たり、歯止め規定の撤廃と包括的性教育の導入を求める会長声明を出しています。

【日本弁護士連合会会長声明】
https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2026/260413.html

「現行の学習指導要領には、いわゆる「歯止め規定」が存在する。すなわち、小学校の理科の学習指導要領における「人の卵と精子が受精に至る過程は取り扱わないものとする」との記述、及び中学校保健体育の学習指導要領における「妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から、受精・妊娠を取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする」との記述である。これらの記述は、教育現場において、「性交を教えてはならないという禁止規定」として事実上運用されている。そのため、精子や卵子については教え、受精卵や妊娠については教える一方で、その間に起こる重要な出来事である受精に至る過程及び妊娠の経過、つまり性交について取り扱わないことになり、学習内容としては極めて不自然なものとなっている。
また、高校生の学習指導要領においても性交を教える旨の記述はなく、保健体育においても生殖の学習について抑制的に取り扱うこととされている。
このような学習指導要領に沿って性教育を行うことは、学校が性をタブー視する姿勢を子どもたちに伝えるものとなる。
その結果、子どもたちは、学校内では人権やジェンダー平等を基盤とした人の性交や避妊具の使い方について学ぶことができず、学校の外で触れる性情報によって知識を習得することが常態化している。しかし、こうした性情報には性暴力を内容としたものが含まれる場合もあり、子どもたちが誤った知識や不適切な価値観を持つようになったり、中高生が予期せぬ妊娠をし、最悪の場合には母子の生命・身体に関わる事態が生じたりするといった重大なリスクに陥ることも起こりうる。」

現在の学校指導要領の、性教育に関する部分は、こちらです。

【学習指導要領(平成29年)】
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001524538.pdf

私は、性交そのものを学校教育で詳細に扱うべきではないと考えています。
性交は、本来、新しい命を生み出すための尊い行為です。そのような大切な事柄を、愛情や人格が十分に形成されていない段階の子どもたちに対し、行為の部分だけを切り離して教えることには疑問があります。
人が成熟し、家庭を築き、子どもを持つことを真剣に考える段階になってから学んでも、決して遅いとは思いません。むしろ、性を単なる生物学的な機能としてではなく、命、愛情、責任、家庭と結び付いたものとして教えることが重要ではないでしょうか。

性交について教えないことを問題視し、さらに避妊を中心に教える考え方にも、私は違和感を覚えます。若い人たちが性交することを前提にして、子どもが生まれないようにすることだけを教えるのは、本末転倒ではないでしょうか。
性交は子どもを生み出すための行為です。だからこそ、その意味や重みを大切にしなければなりません。子どもが生まれることを問題であるかのように扱う教育で、本当に将来、家庭を築き、子どもを育てようと思う人が増えるのでしょうか。
避妊を先に教えるのではなく、子どもが生まれることの尊さ、家族の愛情、命の価値をまず教えるべきだと思います。しかし、現在の学習指導要領では、人間の性が生物学的な生殖機能として扱われる傾向が強く、命や愛情の価値が十分に示されていないように感じます。
現在は扱われていない踏み込んだ性教育の内容まで、学校で教えるべきだという主張が強まっています。私は、そのような教育を受けたいとは思いませんし、子どもたちに受けさせたいとも思いません。

学習指導要領の改訂に向けた議論が進む今こそ、慎重に考える必要があります。何も対策を取らなければ、日本の性教育が過激な方向へ進み、子どもたちが性の価値や尊さを理解できないまま、さまざまな影響を受けることになりかねません。
子どもたちを過激な性教育から守り、命、愛情、責任、家庭の価値を大切にする教育を求めていく必要があると、私は強く思います。

動画はこちら
https://youtu.be/h39AlfgRU_c