宗教法人法第81条は憲法違反 解散命令に、裁判所の権限が強い非訟事件手続法は適さない
家庭連合の解散命令は、東京高裁によって行われており、現在最高裁で特別抗告審が審理されている状態です。この解散決定は、非訟事件手続法で行われていて、これは宗教法人法第81条に規定されています。
しかし、解散命令は、法人にとっては命を奪うような話であり、それは現預金だけではなく、信者の共有財産とも言うべき教会施設も使用不能に陥らせるような、強力な財産権の制限を伴うものです。
家庭連合は、当然ながらこれに反対し、猛然と抗議をしているわけですが、抗議の相手は行政ではなく、裁判所ということになっています。本来なら、裁判所は、相対立する利害や主張について、双方の意見を聞き、判断を下すのが役割ですが、今回は裁判所が解散命令という強力な権力を行使する主体となっています。権力を行使するのは、本来行政のはずなのに、裁判所が権力を行使する側に立ってしまっています。これは、明らかに三権分立の原則に反する憲法違反です。
どうしてこういうことが起きてしまったかというと、この裁判が非訟事件手続法によって行われたからです。非訟事件というのは、訴訟ではないという意味です。訴える側と訴えられる側がいて、裁判所が双方の主張を聞いた上で裁くのではなく、既に決まった事項について、裁判所が認可する、いわゆるお墨付きを与えるのが、非訟事件です。だから非公開だし、迅速を旨としています。
しかし、今回の裁判は、明らかに家庭連合と文部科学省の間に、争いがある事件です。訴訟事件として扱われるべき事項が、なぜ非訟事件として裁かれたのか、それは、先ほど述べた通り、宗教法人第81条第7項に、定められているからです。
これについて、東京高裁の決定文を見てみたいと思います。
家庭連合の主張:(P176)
①解散命令の手続は、国が宗教法人に対して解散という不利益処分を命じることが許容されるか否かという「法律関係の存否」に関する紛争であるから、「純然たる訴訟事件」及び「法律上の争訟」に該当することが明らかである、②解散命令は、宗教法人に対する死刑に相当する極めて重い処分であり、国家と宗教法人の間の対立的な紛争であるなどと主張し、解散命令に対する即時抗告の審理について、漫然と非公開の非訟事件手続によると定めた宗教法人法81条7項は、憲法32条及び82条に違反すると主張する。
東京高裁の見解:(P177)
「宗教法人法81条1項は、宗教団体に法律上の能力を与えたままにしておくことが不適切あるいは不必要となる一定の事由がある場合、公益的見地から、その法人格を失わせるため、裁判所に宗教法人の解散を命ずる権限を与えたものと解される。」
ここで、解散命令は裁判所が権限を持っていると言っています。
続いて、こう書いてあります。(P177)
これは、「同項に定める者(文部科学省)に対し、宗教法人を直接の相手方として解散するよう求めることができる実体的な権利を与えたものとは解されない。」
つまり、文部科学省は、解散命令の主体者ではない、ということです。
そして、最後にこう書いてあります。(P178)
「宗教法人の解散命令は、行政庁の行う行政処分ではなく、裁判所の行う司法上の決定であり、その決定に対する即時抗告を、行政処分に対する取消訴訟と同視することはできないというべきである。」
つまり、行政庁すなわち文部科学省は今回の決定には関係ない、と言っています。行政処分ではない、と言い切ることによって、行政訴訟法によって訴える道も、閉ざそうというわけです。
事実、東京高裁は、文部科学省が主張もしていないし、想像もしなかった、次のようなことを言っています。(P165)
「抗告人の解散を命ずる必要性があるといえるのは、既に発生した被害の回復を図るためではなく、抗告人の信者らが今後再び不相当献金勧誘行為を行うことを防止するためである。」
およそ、死刑判決をする理由が、将来の犯罪を防止するためだ、というような判決があるでしょうか?絶対にありえません。訴訟事件ならありえないことが、非訟事件では起きてしまう、これは、非訟事件手続により、裁判所に過度な権限を与えた結果、裁判所が暴走した結果だと言わざるを得ません。
非訟事件手続法による問題は、裁判の経緯や証拠が、非公開だという人もいます。もちろん、過程が不透明なのは、不利益を被った信者からすると、当然の言い分です。
しかし、この問題の本質は、宗教のなんたるかを理解しない裁判所に、宗教行政について過度な権限を与えてしまったことにあるのです。証拠を出しても、裁判所が決めた結論にあうものだけを採用し、そうでないものは一顧だにしない。信者が被る不利益に対しても、聞いたふりだけしている。拉致監禁という重大な問題も、知らないふりをする。
その結果、重大な信者の人権に対する侵害が起きてしまいました。信教の自由の侵害、財産権の侵害、そして裁判を受ける権利の侵害です。
繰り返しになりますが、宗教法人の解散命令を非訟事件手続法で行うと定めたのは、宗教法人法第81条です。つまり、宗教法人法第81条は、憲法違反であると言わざるを得ません。憲法違反が認められるならば、解散命令裁判そのものが無効となり、やり直しをすることになるでしょう。もちろん、違憲立法は過去に数例しかなく、非常にハードであることはわかっています。しかしこの点については、日本国が信教の自由を認め、全ての宗教人が安心して信仰生活を送ることができるように、訴え続けていきたいと思います。
動画はこちら
https://youtu.be/gfwdQsfrH7Y


