宗教に対するリスペクト
私は、海外で仕事をしていた期間が約10年ぐらいあり、2001年から5年ほど中国にいて、その後5年ほどマレーシアにいました。それは前職の海外の子会社があって、そこに転勤したわけです。家庭連合とは全く関係ない会社です。
その時に、社員の採用をするときに、この両国の違いが、非常に明確にありました。中国では、社員に対して宗教を聞くということはありません。どのような宗教を持っているかということは、個人情報だとかいうことよりも、宗教そのものがほとんど公認されていないので、迂闊にそういうことが聞けないわけです。
かたやマレーシアはどうだったかというと、必ずどういう宗教を持っているかを聞きます。これはなぜかというと、宗教によって差別するためではなく、逆に宗教に対してリスペクトするためです。マレーシアは、多民族・多言語・多宗教の国家で、だいたい人口の6割ぐらいはマレー人、3割ぐらいがチャイニーズ、1割がインド人でした。
そして、それぞれの民族が、それぞれの宗教を持っています。マレー人であればイスラム教、中国人であれば仏教、インド人でヒンズー教ということであります。それぞれの民族・宗教に合わせて、それぞれの休日まで設けられているという国家です。
だから、社員を採用する時、それがイスラム教徒だということを知らずに採用してしまうと、その民族・宗教固有の対応をしてあげることができなくなってしまいます。例えば、会社で食事を出す時に豚肉を混ぜてしまったら、これはとんでもないことになります。また、お祈りをする時間が金曜日にあります。イスラム教は、お祈りの時間を休憩時間として与えないといけないことになっているのです。一日5回ぐらい祈祷するらしいですね。祈祷室も設けなければならず、イスラム教徒・マレー人がお祈りをするために、メッカの方向を示した矢印までつけて、祈祷室を設けるということが、法律で決められています。
インド人のためには、Deepa Baliという休日がありますし、中国人のためには、旧正月の休みがあります。
だから、宗教というものに対して、お互いにリスペクトするという制度になっています。こういう国家は、宗教を無視するということではなくて、宗教を尊重するということになっているのです。
それでは、日本はどうかというと、宗教はなにですか、ということを聞くことは、どちらかというと個人情報、プライバシーに属するようなことですね。お互いに聞かないし、言わないです。私はやはり、宗教を持つというのは、その人の権利であり、お互いに尊重する社会であってよいのではないかと思います。
もちろん、採用の時に、「宗教は何ですか」と聞くことは、おそらくできないでしょうし、そういうことをしている会社もほとんどないんじゃないかなと思います。けれども、相手をリスペクトするために、相手を尊重するために、そういった対応を社会として持っておくということは、とても大事なんじゃないかなと思うわけであります。
動画はこちら
https://youtu.be/j7ZKo9ai0Wc


