宗教法人がどんどん解散させられる

現在家庭連合は解散命令の決定を受けて抗告審を争っているわけで、正直この結果がどうなるかはわかりません。ただ、こういう状況の中で、文部科学省はどういうことを考えているのかと言うことを、見ておく必要がだろうと思います。
それは何かというと、宗教法人は、基本的に、問題があるところに関してはどんどん解散させるということです。

こちらは、NHKの「所さん、事件ですよ! 全国でお寺や神社が次々売却 後継者不足とブローカーの謎に迫る」ということで、昨年4月5日に放送された内容です。
【NHK One】
https://www.web.nhk/tv/an/jikentokoro/pl/series-tep-G69KQR33PG/ep/QGPJ84VZXP
【気になる生活ナビ】
https://nhk.shigeyuki.net/?p=2859
家庭連合の東京地裁の解散命令決定の3月25日の、わずか10日後の放送でしたが、どういうことを言ってるかというと、要するに不正なお金を、宗教法人を通してわからなくさせてしまうと言うことを言っているわけです。

番組では、こう語られました。
「宗教法人が悪用されているのは、脱税だけにとどまりません。相続税対策やマネーロンダリング(資金洗浄)といった違法行為の温床になっている実態も明らかになっています。」

文化庁は、これについて、問題意識をもっているわけです。この問題に対し、実体のない宗教法人を、不活動宗教法人と位置づけて、全国の都道府県に対して調査を全国の都道府県に対して調査を要請していると、調べてくれと、こういうことを言っているわけです。

「文化庁はこの問題に対し、“実態のない宗教法人”を「不活動宗教法人」と位置づけ、全国の都道府県に対して調査を要請しています。番組では新潟県庁の取り組みに密着し、現場の実情が紹介されました。
新潟県では360件の不活動宗教法人が確認されている
解散命令を請求できたのはわずか5件にとどまる」

これについて、今回文部科学省が公開した宗教法人審議会の議事録があるのですが、先日同じ内容でお話をしましたが、改めてご説明します。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/shukyohojin/94359301.html
これは、第191回、昨年12月17日の宗教法人審議会の議事録です。約2年半ぶりに、宗教法人審議会の議事録が公開されたものです。ちなみにこれ以前の、家庭連合の解散命令請求に関するものなどは、実質的にすべて非開示になってます。これを見ると、宗務行政の推進の、令和7年度補正予算及び08年度概算要求額が書かれています。
これを見ると、文部科学省とか文化庁の問題意識がどこにあるかということが、よくわかるわけです。

令和7年概算要求の資料に、現状の課題というのが書かれています。
「○近年、宗教活動を⽬的としない第三者が、⾦銭等の利益を与えることにより宗教法⼈の代表役員の地位等を得る⾏為(宗教法⼈の売買に類似した⾏為)を通じて宗教法⼈格を不正に取得し、脱税やマネー・ローンダリング等の違法⾏為に悪⽤する等の、宗教法⼈格の不正利⽤のおそれがあることが指摘。
○宗教法⼈は全国に約18万あり、特定の宗派・教団の包括団体の傘下には属さない「単⽴宗教法⼈」(7,374法⼈(R5.12.31現在))や、特に、不活動の単⽴宗教法⼈(512法⼈(R6.12.31現在))について不正利⽤のおそれが⾼いという指摘。」

そして、課題には、こう書いてあるのです。
「宗教法⼈格の不正利⽤に関する調査を通じて、その実態を把握するとともに、新たに不正利⽤対策に関する検討会を設置し、実態把握調査で得られた情報等を元に、ガイドラインの策定等や、宗教法⼈関係者、ブローカー等のそれぞれに対する効果的な広報戦略を検討する。」

そして今年度、令和8年度予算では、これをさらに進める形で、約4億円、3億8300万円の予算を計上しています。
この中で、現状課題は下記の通りです。
「全国には約18万の宗教法人が存在するが、そのうち約5千法人が不活動宗教法人として確認されている。こうした不活動宗教法人等を放置した場合、宗教活動を目的としない第三者により法人格が不正に取得され、脱税やマネー・ロンダリング等の違法行為に悪用される等、宗教法人格の不正利用につながるおそれがあることから、その実態把握や対策を進めることが極めて重要である。」

そして、新たに事業として、「宗教法人格不正利用実態把握・普及啓発事業 100百万円(新規)」が設けられました。
「●目的:宗教法人格が不正に取得され、脱税やマネー・ロンダリング等の違法行為に悪用されることがないよう、不正利用に関する実態を把握し、その成果等を踏まえて効果的な普及啓発活動等を行うことで、不正利用の抑止につなげる。
●事業内容:①相談窓口の設置等による法人格の不正利用に関する実態把握」

そして、調査した内容に基づいて、不活動宗教法人対策推進事業ということで約2億円を計上しています。
「不活動宗教法人対策推進事業
●目的:都道府県等が実施する不活動宗教法人対策のために必要な経費を支援することで、不活動宗教法人の整理・対策の加速化を図る。
●支援内容:
①不活動宗教法人に関する実態調査
②不活動宗教法人対策のための方策策定
③対策実施(解散命令請求等の実施)
④不活動宗教法人対策に関する情報発信・広報 等」

はっきりと、ここに書いてありますね。
解散命令請求等の実施を、進めていくために、予算を計上しているのです。

先ほどの、NHKの「所さん、事件ですよ!」の中で、実態が分からない、調査に手が回らないと、こういう問題がありましたが、文化庁としてはこの状況を把握していこうと、こういうことになっているのだと思います。
この結果、どういうことを加速するかというと、宗教法人格の不正利用の抑止、不活動宗教法人対策という名目で、宗教法人の解散を進めていくぞ、という文化庁の思惑が見て取れるわけです。

もちろん、脱税やマネーロンダリングは犯罪行為であり、国税法や刑法に反することですから、これは許されません。
ただ、問題なのは、これが宗教法人の取り締まりの形で進められることです。

宗教法人法には、このように書いてあります。
「第一条 この法律は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。
2 憲法で保障された信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。従つて、この法律のいかなる規定も、個人、集団又は団体が、その保障された自由に基いて、教義をひろめ、儀式行事を行い、その他宗教上の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない。」
つまり、宗教法人法は、国家から信教の自由を守ることを目的としているのです。

ところが、文化庁は、宗教法人を、管理するべき、統制するべき対象とするよう、舵を切りました。今回の予算のお金のかけ方、対策実施(解散命令請求等の実施)、という文言を見ても、それがよくわかります。

今回、家庭連合が刑法に違反することが何一つない中で解散に持ち込めました。
信者10万人の非常に大きな規模の宗教法人を解散させることができるということになれば、もっと小さいサイズの宗教法人は、どんどん解散させることができるわけです。なぜならば、民事事件のみならず和解・示談さえあれば、それを拡大して「不法行為」として解散させることができるようになったからです。ある意味、会社の解散より簡単です。ハードルは極めて低くなりました。ましてや、刑事事件を起こしている宗教法人だったら、一発です。
刑法の問題がない家庭連合ですら解散できたのですから、文句は言わせない、といったところでしょう。

恐ろしいのは、何が解散の要件に該当するのか、基準が全くないことです。
先ほどの「宗務行政の推進」には、ガイドラインを作ると書いてありましたが、文部科学省、文化庁のガイドラインの作り方は、極めて独善的です。指定宗教法人の指定基準や、清算指針など、文部科学省はいくつか指針を作りましたが、それらはパブリックコメントを受けても、一文字たりとも修正しません。どうとでも作れるということが、今回証明されました。

そうなると、もはや誰も止められません。
ある宗教法人にターゲットを当てて、適当にガイドラインを修正して、それに違反したら解散とか言って、後付けで決めていかれたら、逃げることはできません。これが、文科省が家庭連合に対してやったやり方なわけです。
そうすると、もう何が良くて何が悪かったのか、文科省、文化庁が勝手に決めることができる、そして勝手に決めて勝手に葬り去ることができる、こういうことになってしまいます。

先ほど申し上げたとおり、戦後の宗教法人法の趣旨は、信教の自由を守るということでした。それが、戦前の宗教団体法のようになってしまうと、国家の方針に従わない宗教団体は、どんどん潰すことができるようになってしまいます。

宗教団体法には、こう書いてあります。
第十六条 宗教団体又ハ教師ノ行フ宗教ノ教義ノ宣布若ハ儀式ノ執行又ハ宗教上ノ行事ガ安寧秩序ヲ妨ゲ又ハ臣民タルノ義務ニ背クトキハ主務大臣ハ之ヲ制限シ若ハ禁止シ、教師ノ業務ヲ停止シ又ハ宗教団体ノ設立ノ認可ヲ取消スコトヲ得
 第十七条 宗教団体又ハ其ノ機関ノ職ニ在ル者法令又ハ教規、宗制、教団規則、寺院規則若ハ教会規則ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スベキ行為ヲ為シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ取消シ、停止シ若ハ禁止シ又ハ機関ノ職ニ在ル者ノ改任ヲ命ズルコトヲ得
 教師法令ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スベキ行為ヲ為シタルトキハ主務大臣ハ其ノ業務ヲ停止スルコトヲ得
 第十八条 主務大臣ハ宗教団体ニ対シ監督上必要アル場合ニ於テハ報告ヲ徴シ又ハ実況ヲ調査スルコトヲ得」

文語体なのでわかりにくいですが、要するに、言うことをきかない宗教団体は潰すぞ、と言っているのです。
「安寧秩序を妨げ、臣民たるの義務に背くとき」って、どういう時でしょうか。こんなあいまいな定義で、多くの宗教団体が迫害を受けたのです。
大本しかり、天理教しかり、創価学会しかりです。

恐ろしいことが、今始まろうとしているのです。これは、他の宗教団体の方々も、気づいてしかるべきだと思います。これはやばいと、こんなことをされたら、どんどん潰されていくぞと。
私たち家庭連合は、もうすでに解散させられてしまいました。特別抗告を戦ってはいますが、どうなるかわかりません。だから今更どうしようもないですが、他の宗教団体は、大丈夫なんでしょうか。これは家庭連合のことだから、自分たちは大丈夫だろうと、たかを括っているのだったら、それは危ないですよと申し上げたいです。どういう形で基準を決めるかわからないし、しかもそれが後付けで当てはめられるのですから、どういう理由で解散させられるか、わかったもんじゃないと思います。この問題に関しては、自分自身のこととして、自分ごととして捉えて頂いた方がいいのではないかと、私は思います。この問題は、もはや家庭連合だけの問題ではありません。宗教界全体の問題であり、国家権力に対して、宗教界がどう立ち上がるのかという問題なのです。

動画はこちら
https://youtu.be/xFum8yODjLk