文部科学省の本当の狙いは何か 宗教法人審議会から見える解散の背景

家庭連合の解散命令については、文部科学省が必死になって、司法にまで働きかけて行ってきました。それでは、なぜそこまでして、文部科学省は必死になっていたのか、少し不思議ではあったのですが、この度宗教法人審議会の第191回の議事録が公開されました。

解散命令に関することについては開示しないということですが、最新の、令和7年12月17日、昨年の12月の議事録が開示されました。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/shukyohojin/94359301.html

第190回というのは、令和6年の、家庭連合を指定宗教法人に指定する時のものですから、約1年以上開催されていませんでした。令和7年4月で委員の任期も切れていたので、それで行ったのだろうと思います。

いろいろな議事がありますが、宗務課が最近の宗教行政に関して説明しています。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/shukyohojin/94359301.html

「資料5-1の1枚目でございます。本日まで開催されました臨時国会で承認されました補正予算でございますけれども、宗教法人格の不正利用対策のための実態把握事業が新規に措置されております。
事業の概要でございますけれども、現状・課題のとりわけ3つ目の丸でございますけれども、国際的な枠組み、FATF、金融活動作業部会におきまして、特に宗教法人について活動しているかどうか、モニタリングができていないという指摘を受けるなど、宗教法人格の不正利用についての対策が急務なものとなっていることを踏まえまして、補正予算という位置づけで措置されております。
このため、本年から来年度にかけまして事業内容部分に記載のとおり、まず、実態把握として、宗教法人の売買に関する相談窓口の開設でございますとか、売買に関するアンケート調査、あるいは事例の調査といったことで宗教法人格の不正利用の実態を把握していきたいと考えています。」

この資料5-1というのが、こちらです。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/shukyohojin/94359301.html

「宗教法⼈格の不正利⽤対策のための実態把握事業」として、令和7年補正予算額で、1億円を積んでいるわけです。
そこで、現状・課題として、こう書いていあります。

「○近年、宗教活動を⽬的としない第三者が、⾦銭等の利益を与えることにより宗教法⼈の代表役員の地位等を得る⾏為(宗教法⼈の売買に類似した⾏為)を通じて宗教法⼈格を不正に取得し、脱税やマネー・ローンダリング等の違法⾏為に悪⽤する等の、宗教法⼈格の不正利⽤のおそれがあることが指摘。
○宗教法⼈は全国に約18万あり、不活動の単⽴宗教法⼈(512法⼈)について、不正利⽤のおそれが⾼いという指摘。
○マネロン・テロ資⾦供与・拡散⾦融対策のための多国間の枠組みであるFATF(⾦融活動作業部会)においても、宗教法⼈については活動しているかどうかだけでしかモニタリングできていないとの評価を受けるなど、対策の改善が求められている。」

家庭連合の場合は、宗教法人として宗教行為を行っていたわけで、こういう事には該当しないわけですが、こういう宗教法人がたくさんあると言うことを、文部科学省、文化庁が非常に問題視していたということがわかるわけです。

そして、「宗教行政の推進」として、令和8年度の要求額が、約4億円となっています。
現状・課題について、このようにまとめています。
「全国には約18万の宗教法人が存在するが、そのうち約5千法人が不活動宗教法人として確認されている。こうした不活動宗教法人等を放置した場合、宗教活動を目的としない第三者により法人格が不正に取得され、脱税やマネー・ロンダリング等の違法行為に悪用される等、宗教法人格の不正利用につながるおそれがあることから、その実態把握や対策を進めることが極めて重要である。」

ここで、宗教法人格の不正利用につながるような不活性宗教法人が5000社あると書いていますが、これは令和2年が3400、それがどんどん増えて令和6年末は5000社を超えていると書いてあり、ここを問題視しています。そしてこの実態を把握するために、「宗教法人格不正利用実態把握・普及啓発事業」として、約1億円が計上されています。
さらには、「不活動宗教法人対策推進事業」として2億2000万円が計上されています。
つまり、宗教法人格の不正利用をなくし、不活動宗教法人対策を一層加速していこうと、こう言ってるわけです。

これに対して、委員がどう発言しているかと、次の通りです。
「先ほど説明をいただきました不活動宗教法人の件に関してでございますが、宗教法人を管理する側といたしましても昨今、不活動状態の宗教法人が報道などによりますとマネーロンダリングに使われるような可能性もあるという指摘を多く受けておりまして、これは誠にゆゆしき問題であります。
中には詐欺まがいの行為なんかも行われているやとも伺いますので、そういうことがありますと、本当に日頃から真面目に宗教法人の規則を守りながら、丁寧に宗教活動を行っている多くの宗教法人の皆様方が大変な不利益を被ることを重く受け止めております。よって宗教法人を管理する側としても、この問題に関しては積極的に取り組んでいかなければならないことを強く感じております。」

発言した委員は、宗教法人を管理する側ということなので、これは宗教法人の側の方ではないのでしょう。井田委員長も大学の教授ですので、宗教法人側の方ではありません。
確かに、宗教法人格を悪用するということは問題があって、それはなんとかしなければいけない問題ではあります。宗教法人が18万件の中で、不活性法人が5000件ぐらいあるというのは、確かに問題かもしれません。

ただ、今までなんでこの問題が、ここまで伸びてきたかというと、結局宗教法人を解散できなかったということなのでしょう。だから、これなんとかしなければいけないというのが、文部科学省の立場、要するに取り締まらなければいけないという、そういう立場からすると、今回家庭連合がこれまでの刑事事件でなければ解散できないという、高いハードルがあったわけですが、民事による不法行為によっても解散できると言う事例が、今回できてしまったわけです。

この実績は、非常に大きいです。家庭連合は、2万人、3万人と信者がいるわけですから、そんな大きな宗教法人を解散させることができるということになれば、それより小さい宗教法人は、ひとたまりもありません。なんとなれば、裁判とか訴訟問題とか、どんな団体でもあるわけですから、訴えられただけで解散できると、こういう事例ができちゃったわけです。これは、非常に解散のハードルを下げることができたと、これが文部科学省にとっては、非常に大きなメリットだったんだろうなと思うわけです。

これについて、別の委員が発言しています。
「この指定宗教法人の清算に係る指針ですが、要望を2点申し上げたいと思います。一つは、信教の自由を侵さないよう守っていただくことです。これは当たり前なことですけれども、清算事務に支障のない範囲で信教の自由に配慮するというような文言が何度か出てくることはそれでよいとして、大前提として信教の自由は一切、1ミリも侵さないことは、行政と宗教団体も一緒に取り組んでいるところなので、これは力を合わせて、ぜひそこは貫いていただきたいことを要望として申し上げておきたいと思います。決して信教の自由を二の次、三の次にすることは、許されないことだということをお願いしたいと思います。
1度でも事例ができると、次から次へと信教の自由が侵されてきたというような過去があったわけですので、二度とそういうことがないということをお願いしたい。それが1点です。
もう1点は、これは初めて大変困難なところへ取りかかっていただくということで大きな課題なんだと思うけれども、いろいろ困難が生じるときに、それを理由に今の宗教法人法の改正につながるようなことがないようにということを願っています。」

私は、宗教法人法がいわゆるザル法で、非公開の裁判でも解散できるとか、そこは問題だとは思いますが、宗教法人法の趣旨は、やはり信教の自由を守るためにあるわけです。戦前の宗教団体法の趣旨は、逆なんです。宗教団体は国の方針に従わなければ、取り締まることができるというのが宗教団体法だから、宗教団体法と宗教法人法の間には、天と地ほどの差があります。

取り締まる法を強くするということは、戦前の流れに戻ってしまうんじゃないかとも考えられ、だから本能的にこの委員の方は、そんなことがないようにしてほしいと言ったのではないかと、私は思います。

こういったことを見ると、なぜ文部科学省が家庭連合を解散させるために、そこまで血眼になってやったのかという点について、非常に大きな背景として、この問題があったんじゃないかと、要するに、不活性宗教法人を使って、不正行為を行うというです。
そういう事例があれば、それは犯罪行為です。宗教法人格をそのように使われてしまうことを恐れてええ取り締まるということです。

しかし、不正行為あるいは犯罪行為は良くないことでありますが、問題は、いろんなことを言って、今回の例を見ても、家庭連合に関する話題とかを見てもそうですが、行政が自分たちの都合のいい見方で宗教法人を解散させていくということが、任意にできてしまうという時代がやってきました。だから、家庭連合の解散命令決定は、戦後80年守られてきた信教の自由が根本から崩れてしまい、下手すると80年前の、つまり戦前の宗教行政に戻ってしまうんじゃないかと思われるぐらいに、大変なことだと思います。

やはり、宗教法人審議会の議事録は、こういう非常にその重要なことが書いてあるわけですから、宗教法人に関する非常に重要なことが書いてあるし、その資料が出てきているわけですから、こういったことは、国民の目に明らかにしなければならないし、我々国民の側も、こういったことには細心の注意を払って、大切な日本の信教の自由を守っていかなければならないと思う次第です。

動画はこちら
https://youtu.be/if688iNWSnE