未来のエネルギー トリウム溶融塩炉

未来のエネルギーとして、トリウム溶融塩炉が有望です。

現在稼働している原子炉は、ウランを原料とした軽水炉ですが、トリウム溶融塩炉は、ウランより原子番号が一つ少ないトリウムです。
軽水炉は、濃縮ウラン、即ちウラン235の濃度を高めた核燃料を、ペレットにつめて核反応炉に格納する固体燃料です。温度を下げることと中性子を減速させるために水を使いますが、水は高温になり高圧の水蒸気となるため、高温高圧に耐える設計となります。

トリウム溶融塩炉は、トリウムを塩、すなわちフッ素・リチウム、フッ素・ベリリウムの混合物(FLiBe)を高温にして溶かし込み、溶けた状態で核分裂をさせて、そのまま熱交換機に循環させます。ウラン軽水炉は固体燃料ですが、トリウム溶融塩炉は液体燃料です。
そのため、原子炉自体の構造がシンプルで、小型化に向いています。大量に電力を消費するデータセンターの隣に、専用の原子炉を作ることも可能です。

利点の多いトリウム溶融塩炉ですが、中々日本では評価されていません。中国では2年前に実証炉が稼働を始めています。カナダでも実証炉を建設中と言われていて、世界中で注目されています。
なぜ日本で政府が取り上げないのか聞きましたが、どうもいろいろな利権がからんでいるようです。

トリウム溶融塩炉は、原理的に過酷事故が起きない安全な原子炉です。将来の日本のエネルギーを支える原子炉として、研究が進むことを期待します。

動画はこちら
https://youtu.be/J3kBDvUbWp0