きけわだつみのこえ 反戦文書ではなく英霊の声

「きけわだつみのこえ」は、先の大戦で戦死した学生たちの日記や手紙です。
第1集の序文で、編者の渡辺一夫氏は、「初め、僕は、かなり過激な日本精神主義的な、ある時には戦争謳歌にも近いような若干の短文までをも、全部再録するのが公正であると主張したのであったが、出版部の方々は、必ずしも僕の違憲には賛同の意を表されなかった。現下の社会情勢その他に、少しでも悪い影響を与えるようなことがあってはならぬというのが、その理由であった。」と書いています。
その編集方針は、戦争に対する批判であり、学生が国の犠牲となって将来のある人生を奪われた、という論調です。

しかし、本書を読んで思うことは、厳しい環境の中で、愛する妻子を故郷に残し、人生を肯定的に受け止める強さがあるということです。
一人一人の学生は、尊い命を捧げたのであって、英霊の声として受け止めるべきだと思います。
反戦キャンペーンとして扱うのではなく、彼らが後世の私たちに託したものを、受け継いでいく責任があると思います。

動画はこちら
https://youtu.be/D0v_ObaBgvs