宗教法人の解散命令裁判を非訟事件手続法で行うと定めた宗教法人法第81条は憲法違反!

日本国憲法では、公開の裁判を受ける権利が保証されています。それなのに、現在行われている家庭連合の解散命令の裁判は、非公開となっています。これについては、宗教法人の解散手続きを定めた、宗教法人法第81条そのものが、憲法違反だと私は思います。

宗教法人の解散は、人間で言えば、死刑に相当するものです。死刑は、例えば殺人罪など、刑法に規定されていなければ、そのような裁判を行うことはできません。
そして、日本国憲法は、第37条において、刑事事件については「被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」と規定しています。刑事裁判においては、公開の原則が強く保障されているのです。

公開裁判の意義は、裁判を公開することで、裁判の公正さや中立性が社会全体から監視され、司法への信頼が維持されるということです。
公開の原則は、過去の密室裁判や恣意的な司法運用への反省から設けられたもので、現代の民主主義社会における基本的人権の一つであると言えます。

では、家庭連合の解散命令の裁判はどうなっているでしょうか。宗教法人法第81条第7項に、「第一項(解散命令)の規定による裁判に関する手続については、非訟事件手続法の定めるところによる。」と書いてあり、非訟事件手続法は、原則非公開です。
つまり、刑事事件に準ずるような、宗教法人の解散命令について、非公開を原則とする非訟事件手続法によって行うこと自体が、憲法の精神に違反することなのです。
法人解散については、会社法にも規定がありますが、ここには非訟事件手続法によるとは書かれていません。つまり、財産権を主体とする一般企業より、精神の自由を主体とする宗教法人法の方が、解散要件が緩いのです。

これが憲法違反だということについては、別の条文からも導かれます。
日本国憲法第82条第1項は「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行う」と定め、裁判は原則として公開で行われることを規定しています。
これは、裁判の過程(対審)とその結果(判決)が、広く一般の人々の目に触れる形で行われることを意味します。これには例外規定があって、同条第2項で、「裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合」には、対審を非公開とすることができるとしています。しかし、ここには、さらに例外規定があり、政治犯罪や出版に関する犯罪、また憲法第3章で保障される国民の権利が問題となる事件については、必ず公開しなければならないと厳格に定めています。

家庭連合の解散命令の裁判は、明確に精神の自由に関わる問題であり、「必ず公開しなければならない」事案です。
家庭連合の解散命令を定めた宗教法人法第81条は、意見立法であることを、改めて訴えたいと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/EXR-X4_44vo