日本国憲法に家庭保護条項を!

日本国憲法第24条に、婚姻に関する条文があります。
第1項 婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
第2項 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

しかし、ここには、家庭に関する条文がありません。
世界人権宣言第16条には、日本国憲法第24条に書かれている、婚姻の成立、夫婦の平等などの条文とともに、第3項に次のように書かれています。
「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。」
世界人権宣言に記載された家庭保護条項が、日本国憲法からは、ごっそり抜け落ちているのです。

なぜ、日本国憲法から、家庭保護条項が脱落しているのかと言うと、これは偶然ではなく、戦後日本を統治したGHQの基本方針が、強く反映していると思います。それは、日本の武力を無力化するということです。
日本は、家庭と地域を大事にする伝統文化があります。資源のない日本が、明治維新以降急速に大国になった背景には、みんなで力を合わせるという、この文化があったと思います。
先の大戦で、連合国軍、特にアメリカは、日本の軍隊がそれまで彼らが戦ってきたどの軍隊よりも強いと言うことを、大変恐れたと思います。それは、日本の軍隊は、死をも恐れず戦う、玉砕覚悟し、甚だしくは神風特攻隊などと言って、爆弾を抱えて敵艦に突っ込んでくるわけです。合理的な考え方をするアメリカ人から見れば、こんなクレージーな戦い方をする日本軍は、理解できなかったと思います。勝ち目がないとなれば、さっさと降参するのが、彼らの戦争の常識だからです。こんなやつらと戦争なんかしたくないと、彼らは心から日本軍を恐れたのだと思います。
アメリカ軍は、日本の軍隊の背景には、家庭と地域の強い絆の存在があると分析したに違いありません。当時の日本軍は、出身地別に軍を編成していました。広島第3師団とか、そういう形です。兵士たちは、家族の為に闘う、故郷の人たちを守るために戦う、そういう動機で、命を捨てて戦ったのでしょう。その分析は、ある意味正しかったと思います。

そこで、戦後間もない1946年に公布された日本国憲法において、GHQが日本の武力を無力化するために日本政府に指示したのが、戦争の放棄をうたった第9条と、家庭保護条項を脱落させて第24条だと、私は思っています。
その結果、戦後の経済成長の中で、核家族化が進み、地域の絆が薄れ、資源のない日本が最大の強みとしていた家族が壊れそうになっているのが、現在の日本が抱える最大の問題だと思います。

実は、自由民主党は、平成24年に憲法改正案を作っていて、そこにはこの家族保護条項が取り入れられています。
https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/130250_1.pdf
「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。」
まさに、世界人権宣言第16条第3項そのものです。
残念ながら、この憲法改正案は、「当時の議論の総括であり、党の公約や憲法審査会への提示は行っておりません。」と書かれていて、自民党の施策には反映されていません。

平成24年4月と言えば、民主党政権末期で、自民党は野党でしたから、自由な議論ができたのでしょう。
しかし与党となり、具体的に憲法改正の議論を進める中で、自民党は4つの項目に絞り込みました。それは自衛隊の明記、緊急事態対応、一票の較差、教育の充実であり、家庭保護条項は含まれていません。

しかし、憲法は、国の在り方を定める、最も重要なものです。
基本的人権を強調した日本国憲法が、現在の日本の発展に果たした役割は非常に大きいものがありますが、日本の最大の強みであり、今後の日本を継続的な社会とするために、家庭保護条項の追加は、待ったなしの状態にあると考えます。

日本の家庭を守る会の、基本施策の1番目に、「憲法を改正し、家庭保護条項を追加」を取り上げているのは、このような理由によります。
日本を素晴らしい国にするために、是非ともこれを実現したいと考えます。

動画はこちら
https://youtu.be/5V-YXMxEMeU