家庭連合解散命令 清算手続きが始まり、全て人手に渡る

解散命令に基づいて宗教法人が解散された場合は、宗教法人法第49条の規定により、清算手続きが開始されます。清算というのは、文字通り宗教法人をきれいさっぱり無くしてしまう手続きです。

具体的には、全ての資産を売却して、現金化します。任意売却できなければ競売して、ともかく形が残らないようにします。

また、全ての債務を弁済します。職員は解雇されますが、その給与・退職金は債務です。借入金も残額全てを弁済しなければなりませんから、それも債務です。巷で言われている被害者の損害賠償も債務です。ただし、「私は被害者だ」と言うだけではだめで、きちんと裁判所などで確定されていなければなりません。さらには、税金も債務です。税務署が、支払うべき税金がないかどうかを審査し、残っていれば支払わなければなりません。宗教法人だからと言って全ての税金が免除されるわけではありませんから、税務署がきっちりと調査します。

そうやって、最後に現金が残れば、それが残余財産として、帰属の問題となります。現金が残らなければ、帰属の問題は発生しません。

よく、東京地裁の解散命令の決定書により、家庭連合の資産は1000億円あるなどと報道されていますが、債務のことが書かれていません。債務を全て支払ったら、ほとんど何も残らないかもしれません。

これらの手続きは、事務的に淡々と行われます。清算法人は業務の目的として、宗教行為は含まれませんから、礼拝堂などはどんどん処分され、霊園も人手にわたり、形あるものは何も残りません。これが清算業務です。被害者の損害賠償金が多くない場合は、資産はそのまま残るのではないかと勘違いしている方もいるかもしれませんが、そうではありません。資産もまずは現金化しないと清算できませんから、どんどん売却されます。

私は、前職で海外子会社の社長をやっていた時に、この清算業務を行ったことがあります。親会社の方針で、会社を清算したのですが、先ほど述べた通りに進みました。破産ではなく、自主的な清算だったので、私が清算人として清算業務に携わったのですが、なんともやり切れない気持ちになりました。

繰り返しとなりますが、宗教法人が裁判所の決定で解散となる場合は、必ず清算手続きが開始され、資産は売却されます。礼拝堂も霊園も、全て人手に渡ります。そこに集うことは、もはやできなくなります。全てがなくなるわけです。

こんな恐ろしいことが、日本国民がほとんど認知しないまま、国家によって行われるということの深刻さを、もっと発信していかなければならないと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/BAa6LXFUE-E