北九州市議会 家庭連合との関係断絶決議 控訴審の不当判決

5月12日、福岡高等裁判所で、家庭連合に対する関係断絶決議を行った北九州市議会に対して、損害賠償を請求した訴訟に対する控訴審が棄却されました。非常に残念なことだと思います。下記の記事です。
https://mainichi.jp/articles/20250512/k00/00m/040/138000c

この北九州市議会の決議は、政治的な思惑がこもった、非常におかしな決議でした。先週たまたま関係者の方と意見交換会をする機会がありましたが、単なる人気取りでしかありません。

当時の議事録は、下記の通りです。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/kitakyushu/MinuteView.html?council_id=763&schedule_id=6&minute_id=1&tab=plain

令和4年12月15日です。議員は全部で57名います。議長は自民党の鷹木研一郎議員、議案を提出したのは日本共産党で、日本維新の会の篠原研治議員が質問を行っています。後で出てきますが、共産党の井上しんご議員も名を連ねています。

まず、共産党の出口成信氏が趣旨説明を行いました。「反社会的な旧統一教会に関与しないことを確認する決議について」という内容です。

それに対する、篠原研治議員の質問が下記のとおりです。
「だから、そういう考え方もある中で、統一教会から抜け出したいというふうな方の相談はそれでいいと思います。ただ、統一教会の中に信者で北九州に今現在住んでいる人もいる中で、そういう人が普通に市政相談、例えば僕たちのところに道路をどうにかしてほしいとか、ここの市道にどうにかしてほしいという相談があると思います。その相談をもしにくくなると思うんですよね。
 この団体自体は僕もいい団体とは思っていません。今まで犯罪行為とかもいろいろあったというふうになっているので、それは僕は賛同はしていないですけども、ただ、その中には、暴力団と違うんです。暴力団というのは中に入る時点で、もうそういう悪いことをしようということが目的で入っているから。ただ、宗教というのは、だまされている、洗脳している、悪意のない人たちも中に紛れ込んでいるんです。みんなが悪意を持って、お金をだまし取ろうと思ってやっている人たちじゃなくて、悪意なく、中にだまされて入っている人たちをも僕たちは軽蔑するような感じで、関係を持たないでおこうとしていることが問題じゃないかなと思うんですが、それはいかがでしょうか。」

そしてこのようにも質問しています。
「この決議案というのは、法的な拘束とかないですし、皆さんでこうしていこうねというようなことだと思います。こうしていこうねという、これ何も拘束されることではないんですが、だったら出さなくていいんじゃないですか。これ皆さんなんかパフォーマンスというか、票集めのような形で、今世間がそっちに行っているから反対できないということで、反対しているようにも感じます。
これって、だから決議案を出す意味ないじゃないですか。誰か皆さん実際に関係を持ったところで、別にそれが罰則されるわけではないですし、これパフォーマンスのためじゃないかとも思うんですが、もっと解決するためにどうしようかという決議案を出すということにはならなかったんでしょうか。」

篠原議員は、もっと発言したかったようです。しかし、議長の鷹木研一郎議員が、こう言います。
「篠原議員に申し上げます。時間がなくなりました。時間切れ。」

こうやって、質疑を打ち切って、採決したのです。

この決議案は、全会一致で議決されました。自民党は議会の前に根回しして、なんと共産党の議案に対して全会一致にするように、圧力をかけたのです。なぜ全会一致にしたかと言えば、多数決にしてしまうと共産党の名前が残ってしまいますが、全会一致なら自民党の手柄にすることができるからです。まさに票集めのパフォーマンスでしかありません。

この議決に対して、賛成票は投じたけれども、やはりこれはおかしかったと言うことで、声を上げたええ議員がおられます。共産党の井上しんご議員です。共産党なので、この時は賛成したのですが、後からおかしい言いました。井上しんご議員のHPに記載されています。
https://inouesingo2000.jimdofree.com

西日本新聞の記事で、「教団もノー、信者差別もノー」ということで、社会から排除するだけでいいのかという疑問が残り、差別的な扱いを受けた信者達が求めた請願の紹介議員を引き受けたと言うことです。市議会に対して、これはおかしいという請願書を出したんですね。請願書というのは、紹介議員がなければ出せませんので、共産党の議員でありながら、井上しんご議員はこれを引き受けたわけです。その結果、「党への信頼を棄損した」ということで、除名処分になったんですね。

政党もそうですが、市会議という議会が、関係断絶宣言をするというのは、はなはだおかしいですよね。市民が市政に対して、生活上の要望、社会をこうしたいという政治的な要望をすることは、当然の権利です。その声を汲み上げるのが、議員の役割ではないでしょうか。その議員の役割を放棄して、一方的に関係を断絶するなんて、ありえないわけです。このありえない議決に対して、おかしいと訴えた裁判が、結局棄却されてしまったわけです。本当にこの日本の国の正義、司法の正義は、どこに行っちゃったんでしょうか。市民の或い国民の権利を守る司法の正義は、どこに行ってしまったんでしょうか。

こんな政治的な思惑が先行する、政治的なパフォーマンスは、直ちにやめるべきだと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/bo5YZjbZ3Uo