裁判所は家庭連合を「宗教団体の目的を著しく逸脱した」とは認定しなかった
文部科学省の家庭連合に対する解散命令の申し立てには、宗教法人法第81条1項1号の、「法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」と共に、2号の「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと」が併記されていました。
決定書には、文部科学省の主張として、このように書いてあります。
「利害関係参加人(家庭連合)に与えられた法人格は、財産獲得の受け皿として機能しており、法人格を付与した趣旨に反したものである」
つまり、家庭連合は宗教団体ではなく、単なる金集めの団体だというのです。
また、決定書には、文部科学省は、「宗教法人法は、公益に寄与する社会的存在としての宗教法人による、公益に適合した宗教活動を予定している」と主張していると書いてあります。つまり、公益に寄与しない、私的な宗教活動を行う宗教団体には、法人格を付与する必要はない、と言っているのです。
これが、文部科学省が言うところの、2号要件「宗教団体の目的を著しく逸脱した」の意味です。
宗教行政を司る文化庁が、このような認識を持っていることは、驚きです。
献金は、宗教的活動であり、日本のほとんどの宗教団体は、信者の献金によって運営されていると思います。
そして、宗教活動は、公益活動ではありません。あくまで、信教の自由として、それ自体が尊重されるべきであって、公益に資する活動をしない宗教団体は、法人として認めないという考え方は、信教の自由に対して過度な制約を課すものです。
家庭連合は、当然ながら、この2号の申し立て要件には、反論しました。
裁判所の決定書には、この2号要件について、双方の主張は書いていますが、裁判所の評価は書かれていません。
そして、最後の「結論」においても、2号については全く触れておりません。
評価が書いていないのは、宗教法人の法人格に公益性が必要かどうかについて、裁判所としての意見をすることを避けたのでしょう。
この点は、マスコミでは全く報道されていませんが、裁判所が家庭連合を「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をした」とは認定しなかったことは、強調すべきだと思います。
動画はこちら
https://youtu.be/FdSDQKRiRPE
