文部科学省の証拠偽造事件 大阪特捜部主任検事証拠改ざん事件と酷似

文部科学省の証拠偽造事件は、2010年の大阪特捜部主任検事証拠改ざん事件と酷似しています。この事件は、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長であった、村木厚子氏が、この方はその後事務次官まで昇進されるのですが、企画課長であった時に、部下の上村さんという係長が、勝手に村木課長のハンコを使って、「凜の会」という障害者団体が郵便局の心身障碍者用低料金第三種郵便制度を利用するために、公的証明書を作成した事件です。課長のハンコを勝手に使っていて、正規の手続きを経ていないので、公文書偽造掃除ということになります。時系列で言えば、2004年5月頃、「凜の会」から公的証明書の作成が申請され、上村係長は雑事なので、放っておいたところ、何回も催促されて、勝手に村木課長のハンコを深夜1時位、誰も事務所にいない時に持ち出してハンコ押して、それを「すみませんでした」とか言って、次の日に凜の会の会長に手渡したのです。言ってみれば、上村係長が、自分のミスを取り繕うために、勝手にやったことなんです。

ところが大阪地検特捜部がこれを嗅ぎ付けて、これは国会議員案件だとして、厚生労働省のスキャンダルだというストーリーを書いたのです。当時の主任検事が前田さんという方ですが、この方がそういうストーリーの下で、上村係長を逮捕して、そういうストーリーの供述調書を書くわけです。そこには、村木課長の指示でやったもので、村木課長が凜の会の会長に手渡すということが書いてありました。上村係長にすれば、供述調書の内容は事実ではないのですが、ハンコを押さないとここから出れないぞなどと脅かされて、だんだん精神的にも追い詰められて、もういいやという思いで、供述調書にハンコを押しました。

だから村木課長にとっては、全然自分に預かり知らないことだし、まさに寝耳に水みたいな話だったのですが、逮捕されて、自分がやりましたという供述調書にハンコを押すことを迫られました。しかし村木課長は、仕事に対して誠実な方で、私は自分が認識してない書類にハンコ押すことはしないし、自分がやってもいないことが書いてある供述調書に対して署名することはことはできませんと、一貫して署名捺印を拒否するわけです。その結果、村木課長は半年以上も保釈が認められず、拘置所に拘留されてしまうわけです。

しかし、いざ公判になって、何が起きたかというと、凜の会の会長は、供述調書通り、つまり検事が作ったストーリーの通り、はいその通りでございますと言って、村木課長に6月4日頃に頼んで、公的証明書を作って受け取ったと証言しました。しかし、上村係長は、自分が世話になった村木課長を貶めることに良心が痛んだのか、本当のことを言ってしまうわけです。つまり、供述調書とは異なる、自分が勝手にやったことで、それは6月1日深夜だと証言します。公判で、証言と供述調書が食い違ったわけです。それでその証拠物件を調べることになって、問題になったのが、公的証明書の文書ファイルが格納されたフロッピーディスクです。最初証拠として押収されたフロッピーディスクの文書のタイムスタンプは、6月1日の深夜で、それが調査資料に記載されていて、上村係長の証言通りです。しかし証拠物のフロッピーディスクを調べると、6月8日になっていました。供述調書では、凜の会の会長が村木課長に依頼したのは6月4日ですから、6月1日では辻褄が合わないので、主任検事は、フロッピーディスクのタイムスタンプを、書き換えてしまったわけで、それがバレちゃったわけですね。これが決定的な証拠となって、村木課長に依頼したという凜の会の会長の証言や供述調書の信憑性がなくなり、上村係長の証言通り、村木会長は関係ない、従って無罪だという判決が下されたのです。

問題はこれに留まりません。主任検事の前田さんは、証拠隠滅罪ということで、1年6か月の実刑判決が下されました。さらに、大阪地検特捜部の部長の大坪氏、副部長の佐賀氏も1年6か月の有罪判決、こちらは3年の執行猶予がついています。そして、主任検事、部長、副部長は懲戒免職となりました。

この問題は、大阪地検特捜部に留まらず、検察庁全体に問題が広がり、検事総長が辞任するという結果になりました。
これらについては、日本弁護士連合会の資料やWikipediaに詳しく書いてありますので、リンクを貼っておきます。
【日弁連の記事】
https://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/visualisation/falseaccusation/case1.html
【Wikipediaの記事】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E6%A4%9C%E7%89%B9%E6%8D%9C%E9%83%A8%E4%B8%BB%E4%BB%BB%E6%A4%9C%E4%BA%8B%E8%A8%BC%E6%8B%A0%E6%94%B9%E3%81%96%E3%82%93%E4%BA%8B%E4%BB%B6

冒頭申し上げたとおり、この問題は、文部科学省による証拠捏造事件と酷似しています。
理由を下記します。

①犯罪を訴追するべき大阪地検特捜部が行いました。
検事は、犯罪を訴追する立場にあります。文部科学省も、今回、家庭連合を解散命令請求を行って訴追するという立場で行っています。

②供述調書は検事が書いて、被告人が署名捺印することになっています。
上村係長も署名捺印したし、凜の会の会長も署名捺印しました。ただし、村木課長は、内容に事実でないことが書いてあるとして、署名捺印は拒否しました。
家庭連合の陳述書も職員が書いて、陳述者に署名捺印させるという方法をとっています。

③証拠が改ざんされました
大阪地検特捜部事件では証拠物であるフロッピーディスクが改ざんされました。
文部科学省の場合も、陳述書そのものが、陳述者の認識と違うことが書いてあるか、元信者ではない関係ない方のものが陳述書と提出されています。

④組織的な問題です。
前田主任検事は、フロッピーディスクの証拠改竄を、佐賀副部長に告白し、佐賀副部長が大坪部長に報告して、大坪部長と佐賀副部長は、これは大問題だということで、前田主任検事に対して、うっかりやってしまったと説明しろと指示します。だから、これは組織的な問題です。
文部科学省の場合も、今回の刑事告発の被告発者は3人の職員ですが、その職員3人だけで勝手にやったということは、考えられません。昨日コンプライアンスという話もしましたが、組織として解散命令請求に役に立つ資料証拠を集めて来い、ということで、職員が走り回ったことが明白です。その指示を出したのは、合田次長なのか、都倉長官なのか、盛山元大臣なのか、はたまた岸田元首相なのかわかりませんが、組織的に行われたことです。

⑤村木元局長の犯罪ありきということで話が進められました
前田主任検事が、そういうストーリーを書いて、そのストーリーに合うような証拠が集められました。
文部科学省も、家庭連合は反社会的団体であると決めつけて、そのストーリーに沿って、陳述書を始めとした証拠が集められました。

⑥大阪地検特捜部事件は、政治案件でした
石井一衆議院議員が関与していたとされ、だからこそ大阪地検特捜部はいきり立ったわけです。しかし、後で何の関係もないということが後でわかりました。
家庭連合の案件も、文部科学省が独自の判断で行ったのではなく、岸田元首相のトップダウン案件だったので、最優先で証拠集めが進められました。まさに政治案件です。

⑦捜査の段階で情報がマスコミにリークされました
村木課長が逮捕されると、捜査の内容がマスコミにリークされ、村木課長が悪いというネガティブキャンペーンが貼られました。よくあることですが、捜査当局があえて情報をマスコミに漏らして、世論を味方にするということです。
家庭連合の問題も同じやりかたでした。質問権を行使するに際して、どんな質問が行われたとか、どんな回答があったとかです。本来これは秘匿情報のはずです。しかし文部科学省は、マスコミにリークして記事にさせ、家庭連合の回答は不誠実だというネガティブキャンペーンを張りました。先日過料通知裁判が確定してしまいましたが、司法までもがネガティブキャンペーンに影響されたのかと思います。

⑧村木課長は無罪となりました。
これはこの先の話ですが、家庭連合の解散命令請求はどうなるでしょうか。冤罪事件となるならば、これは大きな事件です。

⑨検事総長の辞職につながりました
本件は、大阪地検特捜部だけの問題ではなく、検察庁全体の問題になりました。では、家庭連合の解散命令請求はどうなるでしょうか。文化庁の合田次長はどでしょうか。あるいは都倉長官、さらにその上の文部科学大臣の阿部俊子さん、元文部科学大臣の盛山氏、永岡議員はどうでしょう。さらには、解散命令請求の号令をかけた岸田元首相はどうでしょう。

これらのことは、今後の話ということになりますが、家庭連合の解散命令事件と大阪地検特捜部事件が非常に酷似しているということですから、その結果はとても重要だと思います。私は、本件は日本における戦後最大の宗教行政スキャンダルと申し上げています。今後どのように事態が推移するのか、当事者として、注視したいと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/rrY0dSS1Ifc