キリスト教における「復活」について

今日は、キリスト教における、「復活」について、お話してみたいと思います。

先日動画のコメントで、よだきんぼさんから、コメントを頂きました。よだきんぼさんは、家庭連合に対してはアンチの立場と思いますが、非常に丁寧にコメントを書いて下さっています。ありがとうございます。
内容は、家庭連合の「復活」に関する教えと、キリスト教の「復活」に関する教えについての違いについてです。私の、ドラゴン牧師こと岩本龍弘氏の動画の、原理講論研究についてのコメントに対するコメントです。

「岩本氏の動画にて小笠原さんが次のようにコメントしていたことに驚きました。他にも同様の趣旨のコメントしていた人がいましたね。
>キリスト教での復活は、肉体の復活のことだと最近知りました。サタンの勢力下から神の勢力下に移ることだとすれば、肉体が元通りになる必要はなく、日本の火葬の習慣も問題なくなるわけですね。重要な指摘だと思います。
なぜ、驚いたのかと言いますと、普通に聖書を読めば復活は肉体を伴ったものだとしか読み取れないからです。
ルカの福音書24章36~43節には次の記述があります。

これらのことを話している間に、イエスご自身が彼らの真ん中に立たれた。彼らは驚き恐れて、霊を見ているのだと思った。 すると、イエスは言われた。「なぜ取り乱しているのですか。どうして心に疑いを起こすのですか。わたしの手やわたしの足を見なさい。まさしくわたしです。わたしにさわって、よく見なさい。霊ならこんな肉や骨はありません。わたしは持っています。」それでも、彼らは、うれしさのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物がありますか」と言われた。 それで、焼いた魚を一切れ差し上げると、イエスは、彼らの前で、それを取って召し上がった。
この個所を素直に読めばイエス様の復活は肉体を伴ったものであることが分かるはずです。 」
この後も、ダニエル書、イザヤ書、ヨブ記を引用して、パリサイ人が、復活があると信じていたことなどの解説が続きます。

イエス・キリストが復活されたのは、間違いないと思います。新約聖書の4つの福音書全てに、そう書いてあります。それが肉体を伴ったものなのかどうかが、大きな論点だと思います。
原理講論には、こう書いてあります。
「聖書の預言を、文字どおりそのまま受け入れるとすれば、イエスが再臨されるときには、既に土の中に葬られて、元素化されてしまったすべての信徒たちの肉身が、再び元どおりの姿によみがえって、出てくるものと見なければならない(テサロニケⅠ四・16、マタイ二七・52)。これは、神が下さったみ言であるから、我々の信仰的な立場においては、そのまま受け入れなければならない。しかし、これは現代人の理性では到底納得できない事実である。そのため結局我々の信仰生活に大きな混乱をきたすようになる。したがって、この問題の真の内容を解明するということは、極めて重要なことであるといわなければならない。」(第4章復活論)
つまり、原理講論は、イエス・キリストの復活は、肉体を伴って生前と同様に復活したのではないと言っているわけです。そして、そもそも生死の概念を、サタンが支配する世界に生きるか、神が支配する世界に生きるか、ということで切り分けています。

原理講論の解説をすることがこの動画の目的ではありませんので、詳細説明は避けますが、一度死んで腐敗した人間の体が、元通りになることが復活だということであれば、それは私の理解を超えます。イエスが肉体を伴って復活したので、人類もそのように復活するということであれば、地球上が不老不死の人間であふれかえり、ただでさえ有限な資源が、あっという間に枯渇してしまうのではないか、とも思います。
むしろ、イエス・キリストの復活も、キリストを信じる信徒の復活も、神の完全なる愛の主管圏に入ることである、という方が、私には理解しやすいです。

また、死の尊厳性という考えもあるのではないでしょうか。人間は、限りある命をいかに有意義に生きるのかが大切で、その一生を終える時に、体は無くなっても、その人が遺したものは生き続けるという考えです。先人たちが築いてきた文化がそうであり、イエス・キリストの思想もそうです。例え多くの人々が知らなくとも、誰かのために生きた人がいるのであれば、その業績は残ります。生命はいつかは終わりがくるけれども、その人の魂は永遠に人々の心に残り続ける、その方がしっくりいくように思います。

ただ、これは人間の生き方の問題であり、信仰の問題です。私は、キリスト教徒が、肉体を持ってイエス・キリストその方が来られて、信者が永遠の命を得るという考え方を否定する意図は、全くありません。何が真実なのかは、一生をかけて求めていく問題化と思っております。これからも、少しずつ学んでいきたいと考えております。

動画はこちら
https://youtu.be/AiRDJj_tPS8