後藤徹氏 「死闘 監禁4536日からの生還」

家庭連合の信者 後藤徹氏の「死闘 監禁4536日からの生還」を読みました。
この本は、1995年に、当時31歳だった後藤徹氏が、12年5か月もの期間、脱会屋の宮村峻氏、松永保智牧師、そして両親、兄、兄嫁、妹によって、拉致監禁され、さらに脱出後に裁判で勝訴するまでの、ドキュメンタリーです。

2月10日に出版記念講演会が行われました。私も早速購入して読みました。
後藤さんは拉致監禁された後、玄関から正面突破しようとしても阻止され、偽装脱会も失敗、最後はハンガーストライキをしましたが、逆に食事を与えられずに餓死直前の状態になり、最後は家族が持てあまして、2008年2月10日に監禁場所から放り出されます。
監禁されている間、後藤氏は祈りだけを頼りに信仰を続け、命の危機まで経験しますが、決して信仰を捨てることはありませんでした。そして極寒の中、教会本部まで10kmの道を歩き、最後力尽きた時に、統一教会の信者に出会い、松濤本部にたどり着いて保護されるのです。まさに、死の直前に神が救って下さったわけです。
そして裁判で、首謀者の宮村峻氏や松永牧師を始め、拉致監禁の実行犯である兄、兄嫁、妹を裁判で訴え、刑事は不当にも不起訴となりますが、民事で完全勝訴します。

小説でも書けないような、息を呑むような話です。読み始めると引き込まれて途中でやめられず、一気に読み終えてしまいました。

後藤徹さんが拉致監禁されていた12年5か月間に、本当に多くの信者が拉致監禁の被害にあい、むりやり信仰を放棄させられました。しかし、後藤徹さんの勝訴の翌年は、拉致監禁事件はゼロとなりました。まさに、後藤さんの命懸けの戦いが、勝利したわけです。

しかし、拉致監禁事件は、その後も少数ですが発生しており、また拉致監禁によりPTSDなどで苦しむ被害者、そして親子関係がずたずたになってしまった家族が、たくさんいます。拉致監禁被害者が脱会後、教会を訴えさせられて、家庭連合は解散命令請求まで追い込まれました。つまり、拉致監禁事件は、まだ終わっていないのです。

ノンフィクションとして、そして日本における信教の自由について考える上で、とても読む意義がある本だと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/osjNuZOJ_lI