大手メディアはSNSではなく立花孝志氏に負けた
先日の兵庫県知事選挙で、テレビや新聞などの大手メディアは、選挙前から、齋藤元彦知事が落選すると予想し、そのような報道を繰り返していました。しかし結果としては齋藤元彦知事が当選しました。これに対する大手メディアの総括は、SNSにより様々な風説が広がったためであるとし、大手メディアがSNSに負けたかのような内容となっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241123/k10014645021000.html
この記事では、「SNSでは「正義と悪」といった対立の構図が拡散しやすい」「政策の中身よりも、センセーショナルで分かりやすい情報や誤った情報によって適切な判断が損なわれる」ということも書かれています。その上で、「メディアが果たすべき役割」として、「迅速なファクトチェックが何より求められる」としています。
私は、これは少し違うのではないかと思います。
そもそも、今回斎藤知事が当選したのは、立花孝志と言う常識を破る人物が登場し、智恵と勇気を奮って、大手メディアが報じなかった事実を、選挙活動を通して明らかにしたことが、一番大きな要因だと思います。立花氏が情報発信したのがSNS、それも主にYouTubeだったというだけの話しであって、SNSがテレビや新聞に勝ったというわけではありません。
もし大手メディアが、斎藤知事について公正な報道をしていれば、こんなことは起きなかったはずです。選挙の動向を左右する重要な情報があった場合には、それを隠すのではなく、条件付きでもよいから、有権者に情報提供するべきでした。しかし、大手メディアは自ら作った齋藤知事批判の路線を変更することができず、結果的に隠してしまったのです。立花氏が指摘しているのは、まさにその点だと思います。
だいたい、立花氏は、SNSだけで情報発信したのではありません。自ら兵庫県知事選に立候補し、街頭演説で人を集め、NHKの政見放送で話をし、選挙公報に記事を書き、ポスターを掲示したのです。Youtubeは、補助的ツールであるに過ぎません。
つまり、大手メディアは、SNSに負けたのではなく、立花氏に負けたのです。
立花氏は、「NHKをぶっ壊す」をキャッチフレーズにしているので、大手メディア特にNHKは、それを認めたくないのでしょう。その証拠に、大手メディアは立花氏に関することは名前すら出さずにスルーしています。よっぽど、そのことに触れたくないのでしょう。選挙期間を通じ、そして現在も、人々は立花氏の言動を注目していますから、大手メディアがそれに関する情報を出さないことが、立花氏のYouTubeの再生回数をさらに伸ばす要因になり、立花氏を利することになっているのは、皮肉なことです。
そして、大手メディアは、「大手メディアVS立花孝志」の構図を、あえて「大手メディアVS SNS」に置き換えてしまいました。論点をずらしたのです。それだけならまだしも、SNSが問題だとして、SNSを規制しようとする論調まで主張しだしています。東スポWEBには、こんなことが書いてあります。
「兵庫県知事選でパワハラやおねだり疑惑のあった斎藤元彦氏が勝利したことを受けてSNSの規制が取りざたされている。放送法や公選法の縛りのあるテレビを中心とした大手メディアに対して、SNSは自由なだけに玉石混交となっている。それだけに規制が必要というわけだが…」
「一方でSNSには真偽不明の情報も流れやすいことから、何らかの規制が必要との声も上がっている。元宮崎県知事の東国原英夫氏はテレビ番組で「今後はSNSも公職選挙法の対象にする必要がある」と述べている。」
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/324247
記事の論調は、むしろ大手メディアの規制緩和をするべきだ、という風に表現していますが、では大手メディアがどのように規制されているというのか、何も書かれていません。
大手メディアは規制がかかっていたから情報を開示しなかったのではなく、単に情報を出さなかっただけです。要するに、大手メディアは、自分たちだけが情報を把握し、コントロールできるようにしたい、という基本的な考え方があるのでしょう。だから、SNSのような個人の意見が拡散することを、抑え込みたいのです。
しかし、SNSを封じるということは、個人の意見を封じ込めるということです。中国で行われている言論統制そのものです。「SNSの規制」などということを大手メディアが言葉に出すこと自体に、大手メディアの願望が見え隠れしますが、こういう全体主義的な発想は、とても危険です。大手メディアの傲慢性が、こんなところにも現れていると思います。
大手メディアは、正しく現実を認識し、自らのあるべき立ち位置を認識し、社会に対して正しい問題提起をするべきではないでしょうか。