トランプ前大統領と安倍元首相のUPFでの演説

UPF (Universal Peace Federation)が、2021年9月12日に韓国で開催した、韓半島の平和的統一についてのシンポジウム「シンクタンク2022」において、トランプ前大統領と安倍元首相がビデオメッセージを寄せました。
Youtubeにアップされていますので、それぞれリンクを貼っておきます。
お二人とも、非常に素晴らしいメッセージです。少し長くなりますが、全文テキスト化しましたので、掲載します。
まずトランプ大統領、続いて安倍元首相です。

【トランプ大統領】
https://youtu.be/WkCveSTsnlM?si=Oo_B3zTe2NNno1Jv&t=4593

この度の第7回希望前進大会において、私にとって非常に重要なテーマである朝鮮半島の平和統一の夢という内容について演説することを大変光栄に思います。
私はUPFと特に韓鶴子総裁に感謝いたします。韓総裁は、全世界の平和のために驚くべき事をしておられます。朝鮮戦争の混乱の中で、当時五歳であった韓総裁が北から南下していく話は、全知全能なる神様への信仰を証す驚くべきエピソードであります。
そして、もう一人の驚くべき人物、韓鶴子総裁のご主人であり、ワシントンタイムズの創設者である文鮮明総裁に感謝の意をします。
ワシントンタイムズは、私が多大な尊敬と感銘の念を抱く言論機関です。文総裁ご夫妻は実に偉大なる業績が立てられました。
また、朝鮮半島における紛争解決を目的として、世界中の専門家を一堂に会したThink Tank 2022を出帆してくださった韓総裁にお祝いを申し上げます。

ご存知の通り、アメリカ合衆国は朝鮮半島の恒久的な平和構築のために中心的な役割を果たしてきました。大統領在任時の私の最も誇り得る業績は、南北を含めた全朝鮮民族の明るい未来のための、新しい道の構築に寄与した事です。この道を通して分裂と試練の歴史だった過去は、誰も想像できない水準にまで癒され、朝鮮半島がもつ真の潜在能力が発揮されることでしょう。これは実に驚くべきことです。
私が大統領として就任した当時、世界が置かれた状況は非常に暗澹たるものでした。去る数十年間、アメリカの指導者たちはこの地域における脅威の増大に対処することができずにいました。しかもオバマ元大統領は、朝鮮半島の問題こそが全世界の諸問題の中で最も大きな悩みの一つであるとまで言っておりました。
今振り返ると、私が当選した時点での状況がどれほど危険であったか忘れがちです。ミサイルが飛び交い、核実験が繰り返され、連日大きな脅威と警報発令が続く時期でした。大統領として私は、悪化の一途をたどる状況をただひたすら傍観するわけにはいきませんでした。アメリカの過去の政権が北朝鮮の問題を解決することができずにいたため、私は他の方法によってこの問題に接近しようと決意しました。
私のリーダーシップの下で、アメリカはかつてないほど強力な政策を採用し、アメリカとその同盟国が常に自国民を守ることができるよう、過去のどの政権よりも多大なる努力を注ぎました。アメリカは軍事的、外交、経済のすべての面において、一切妥協しませんでした。私たちは決して「核兵器の脅威に晒されない」こと万民に示しました。
多くの方が記憶しているように、両国間の言い争いは非常に荒々しく険悪で、容赦のないものでした。しかし私は同時に対話と協力の扉を常に開いてました。どんな指導者でも戦争を仕掛けることはできますが、平和の機会を追求するには真の勇気が必要であることを私は知っていました。私は国民のために良い世界を築く機会があるのであれば、指導者たちは絶対に対話を恐れてはいけないと信じています。
私たちの政権が追求した果敢な外交政策の核心は、友好国である韓国と日本との緊密な同盟でした。文在寅大統領と安倍総理はともに大いなる称賛に値する人たちです。彼らは素晴らしい仕事をしました。私たちは、私の任期である4年間、誰も予想だにしなかった多くの進展を成しました。国連安全保障理事会は過去に例がないような対北朝鮮決議を満場一致で採択しました。また、北朝鮮に抑留中であったアメリカ人の人質たちが救出されました。非常に重要な事案であるために一度触れますが、私たちはアメリカの人質を無事に帰還させたのです。そして、北朝鮮の協力により米軍人の遺体を本国に送還することができました。

2018年、私はアメリカ大統領としては初めて、北朝鮮の指導者である金正恩委員長とシンガポールで会談しました。私たちはとても生産的な関係を結び、非常に重要な目標の合意点を探しました。それは完全な非核化という事に重要な目標であり、最も重要な言葉です。
翌年の2019年、非武装地帯で金正恩委員長ともう一度出会うことになった私は、北朝鮮の地に足を踏み入れた最初のアメリカ大統領になりました。
ハノイで開かれた2回目となる米朝首脳会談においては、北朝鮮がまだ合意できる準備が整っていないことを知りましたが、私は今もなお、未来に対する希望に満ち溢れていました。金委員長は、長距離ミサイルの発射も核兵器実験も行わないという、私とのシンガポールでの約束を今日に至るまで守っています。
2017年以降、実際に北朝鮮は主要な武器の実験をしたことがありません。私は北朝鮮が世界平和のために引き続きこの約束を守ることを願ってます。

去る1年半の間、世界的なパンデミックが地球襲いました。残念ながら朝鮮半島はじめとする数多くの国々が多大な被害を受けました。このコロナウイルスは、全世界の人々に甚大な苦痛をもたらしました。数多くの生命が奪われた悲劇的なパンデミックから抜け出すために、今こそ葛藤ではなく協力が必要とされている時であることを、全員が同意してくれるように祈っています。
今は敵意を新たにする時ではなく、希望を与える時です。核の保有や増大に焦点を当てる時ではなく、より美しい世界を作るために、私たちの国を再建することに集中すべき時です。私は北朝鮮の人々に驚くべき未来が待っていることを心から信じています。
北朝鮮が非核化の道を歩むならば、彼らには素晴らしい未来を実現することができると信じています。そのような祝福の日が訪れるまで、「強いアメリカ」は朝鮮半島の平和維持に必要不可欠な力となるでしょう。最近、他の国のケースにおいて見られるように、弱さがもたらすものは、更なる暴力と混乱だけなのです。朝鮮半島の平和を願う私たち全員の真なる使命は、強くて豊かな国を築くのみならず、強靭な精神力を備えることです。
あらゆる国家は国民と同盟国を守り、国民に対して「よりよい未来を残す」という意思を呼び起こすべきです。これこそが変化を起こし、国を動かし、歴史を作り、最終的には平和をもたらす力であり価値感なのです。私が以前にも幾度となく主張してきたように、私たちが平和を願うならば、愛国者が必要であり、世界万民に神様が下さった生命、自由、及び幸福を追求する権利を尊重しなければなりません。

過去4年間にわたる私の政権は、愛国心に満ちた平和を愛する国々が誇りを持って立ち上がり、確信をもって自国民のために団結するならば、無限なる発展が可能であるということを証明しました。4年前私はソウルを訪問し、大韓民国の国会で演説する栄光を得ました。それは事に光栄なことでした。その日、私が韓国の国民に伝えたメッセージがありますが、希望するならばいつでも繰り返します。彼らが朝鮮半島に成し遂げたことは、本当に驚くべきことです。わずか数十年の間に、彼らは全世界、全地球を感化したのです。彼らが全世界にもたらした感動は、信じられないほど素晴らしいものであり、このことに関しては繰り返し、繰り返し、お祝いを申し上げます。一代に満たない期間のうちに、韓国の国民は戦争で荒廃した地を最も偉大な国の一つに変え、アメリカの友好国であり同盟国である医大なる民主国家としました。韓国の事例がより良い未来と平和をなそうとする私たち全員に思い起こさせてくれるのは、私たちは絶対に諦めてはならず、希望を失ってはならないということです。神様に対する信仰と、国民に対する愛をもって、より明るい明日をつくるために共に働きましょう。ありがとうございます。神様の祝福が皆様と共にありますように。

【安倍元首相】
https://youtu.be/WkCveSTsnlM?si=jYKCsQYwrXGwsZXp&t=5286

ご出席の皆様、日本国前内閣総理大臣の、安倍晋三です。UPFの主催のもと、より良い世界実現のための対話と諸問題の平和的解決のために、およそ150か国の国家首脳、国会議員、宗教指導者が集う希望前進大会で、世界平和を共にけん引してきた盟友のトランプ大統領とともに、演説機会を頂いたことを光栄に思います。
特にこの度出帆したThinktank2022の果たす役割は、大きなものであると期待しております。今日に至るまでUPFとともに世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ皆様に敬意を表します。

さて、いまだ収束の見えないコロナ禍のなかではありますが、特別な歴史的意味を持つこととなった、東京オリンピック・パラリンピック大会を、多くの感動とともに無事閉幕することができました。ご支援頂いた世界中の人々に感謝したいと思います。
史上初の1年延期 選手村以外外出禁止、無観客等、数々の困難を越え、開催できたアスリートの姿は、世界中の人々に雪と感動を与え、未来への灯をともすことができたと思います。
そしてイデオロギー、宗教、民族、国家、人種の違いを越えて、感動を共有できたことは、世界中の人々が、人間としての絆を再認識する契機になったと信じます。
コロナ禍に覆われる世界で、不安が人々の心を覆いつつあります。全体主義国家と民主主義国家の優位性が比較される異常事態となっております。人間としての絆は、強制されて作られるべきではありません。感動と共感は、自発的なものであります。人と人との絆は、自由と民主主義の原則によって、支えられなければならないと信じます。一部の国が全体主義、覇権主義国家が、力による現状変更を行おうとする策動を、阻止しなければなりません。
私は、自由で開かれたインド太平洋の実現を、継続的に訴え続けました。そして今や、米国の戦略となり、欧州を含めた世界の戦略となりました。自由で開かれたインド太平洋戦略にとって、台湾海峡の平和と安定の維持は必須要件です。日本、米国、台湾、韓国など、自由と民主主義を共有する国々のさらなる結束が、求められています。

UPFの平和ビジョンにおいて、家庭の価値を強調する点を、高く評価いたします。世界人権宣言にあるように、家庭は社会の自然かつ基礎的集団単位としての普遍的価値を持っております。偏った価値観を社会革命運動として展開する動きに警戒しましょう。
いつの時代も、理想に向かう情熱が、歴史を動かしてきました。理想の前には、常に壁があります。よって戦いがあるのです。情熱を持って戦う人が、歴史を動かしてきました。
自由と民主主義を共有する国々の団結、台湾海峡の平和と安定の維持、そして朝鮮半島の平和的統一の実現を成し遂げるためには、とてつもない情熱を持った人々によるリーダーシップが必要です。
この希望前進大会が、大きな力を与えてくれると確信いたします。
ありがとうございました。

動画はこちら
https://youtu.be/DskKe_vAuhc