六千人の命のビザ
第二次世界大戦中、リトアニア領事代理であった杉原千畝氏のご夫人である、杉原幸子氏の著書です。杉原千畝氏は、在任中、亡命を希望するユダヤ人約2000人に対して、日本国内の通過ビザを発給したことで、戦後有名になりました。イスラエル政府からも表彰されましたが、それを傍で支え続けた幸子夫人のお話は、戦時中人道的な対応をすることが大変な時期に、杉原千畝氏がどのような決意でユダヤ人を救ったのかが、記録されています。
杉原氏は、戦後、勝手にビザ発給を発給したことが原因で、外務省を退職することになります。しかし、ユダヤの人々を救ったことを、救われた方々が忘れることはなく、晩年に表彰されたのです。立派なことだと思います。
著書では、戦時中の外交官の生活が、生き生きと描かれています。あの当時、人として生きることがいかに大変であったか、つくづくと考えさせられます。