原理講論 宗教および思想の闘争期

家庭連合の経典の一つが原理講論ですが、これは実に難解な書物です。昨日ご紹介した、「統一協会(家庭連合)信者の救出」などの批判本には、原理講論は信者をマインドコントロールするためのロジックが埋め込まれているというなどと書かれていますが、この本をきちんと理解するためには、聖書や歴史書、哲学書などを読み込む必要があって、それは相当大変です。正直言って、こんな本で他人をマインドコントロールすることなど、不可能だと思います。

今朝たまたま読んだのが、「第五章メシヤ再降臨準備時代第二節 宗教および思想の闘争期」(1648〜1789)でしたが、これはカトリックとプロテスタントの対立でもあった30年戦争が終了してから、フランス革命に至る140年のことです。

フランスのデカルトが、「すべての真理は人間が生まれながらにもっている理性によってのみ探求される」とし、神から離れて理性を重要視する合理主義思想を打ち立て、無神論と唯物論の影響を受けてヘーゲル左派が生まれ、今日の共産世界をつくった弁証法的唯物論の哲学を体系化しました。

その一方で、宗教改革運動により哲学と宗教は創造本性を指向する立体的な人生観を生み、ドイツのカントが、「お互いに対立してきた経験論と理性論を吸収して新たに批判哲学を打ち立て、内外両面を追求する人間本性の欲望を哲学的に分析」し、ヘーゲルは弁証法により哲学的の新しい面を開き、哲学と宗教は創造本性を指向する立体的な人生観を樹立したと書いてあります。

近代において、哲学が社会や政治、経済の発展に寄与したことは間違いありませんが、人間を中心とした理性を重視する流れと、神を中心とした信仰を重視する流れがあったことは間違いなく、これらを簡潔に整理した原理講論のこの部分は、読者に宗教や哲学の深い理解を求めるものだと思います。
私も、かつて頑張って、カントの純粋理性批判とか、ヘーゲルの精神現象学などを読んでみたことがありますが、あまりにも難解で、全くわかりませんでした。原理講論の著者が、どうやってこれらの難解な本を理解し、一貫性のある理論として整理できたのか、本当に不思議です。興味のある方は、一度じっくり読んでみては如何でしょうか。

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https://youtu.be/-O9axn3G2-Y