専門家集合で宗教・カルト・政治問題の大討論 上祐史浩氏×小川寛大氏×中川晴久氏
新宿で、ひかりの輪代表の上祐史浩氏、「宗教問題」編集長の小川寛大氏、キリスト教会牧師の中川晴久氏による、「専門家集合で宗教・カルト・政治問題の大討論」と題した集会が開催され、参加いたしました。
上祐史浩氏は、かつてオウム真理教の広報ですが、現在は後継団体のアレフと袂を分かち、活動中です。小川寛大氏は「宗教新聞」の編集者です。中川晴久氏は、キリスト教牧師で、拉致監禁による強制棄教に反対する動画を毎日Youtubeに上げています。
まず、「自民党と統一教会がズブズブ」という報道について意見が交わされました。小川氏は、アメリカでは、宗教が政治に係わるのは自由ですが、日本はそうでもなく、政治と宗教が接点を持つと批判される傾向があるとのこと。しかし自民党が統一教会の教義に影響されることはありえず、むしろ逆に統一教会や日本会議などが、政治的な方向を自民党に寄せていっているのではないかと言っていました。さらに小川氏は、統一教会は大嫌いで、早くなくなって欲しいと思うが、今のような一方的なやりかたは如何なものかと思う、とも述べました。
オウム真理教と統一教会の比較について、中川氏は、統一教会の信者は拉致監禁という暴力を受けているが、統一教会は何も暴力的なことをしない。一方、オウム真理教は阪本弁護士を拉致監禁して殺したし、サリンで無差別殺人を行った。この点で全く違うと言いました。
マインドコントロールについて、上祐氏は、マインドコントロールはアメリカで否定されていて、裁判でも使われなくなったとのこと。小川氏は、宗教でファナティックな思想に影響されることはあっても、ロボットのように誰かの指示に盲従しているわけではなく、思想を自己獲得した上で、自分の意志で動いているのであって、それはマインドコントロールとは言わないとの意見です。
宗教二世問題について、小川氏は、昔は親子三世代で宗教のコミュニティがあって、親が宗教に没頭してもおじいちゃんおばあちゃんがフォローしてくれたから、同じ宗教でも問題はなかった。しかし現在は母親と子供だけの関係ということも多く、母親が宗教に没頭すると子どもは逃げ場がないことが少なくない。宗教二世に取材しても、ほとんどの二世は放っておいて欲しいという反応。これは社会的な構造も含めた複合的な問題であって、宗教二世と単純化することはよくない、との意見でした。
拉致監禁による強制棄教問題について、中川氏は、宗教における重大な人権侵害問題であるのに、マスコミは全く取り上げていない。これに対して小川氏は、統一教会問題は関心が薄れているので、あえて取り上げていないのではないか、と言いました。中川氏は、「宗教問題」が取り上げれば、信者が買うから部数が伸びるのではないか、と切り返していました。
質問の場があったので、私は自分が家庭連合の信者であると明言した上で下記質問しました。
「小川さんは、2022年8月19日アベプラで、「統一教会というのは本当に信者をバチバチに洗脳して思うがままに操って、どんなひどいこともやらせるような教団です。」と語っておられるが、先ほどの発言と違うように思う。現在でもそのように考えておられるか。」
小川氏は、下記の通り回答しました。
「そのような発言をしたことは、記憶にない。マインドコントロールという言葉は定義があいまいで、ロボットのように人に指示することはできないと考えている。勿論、指導者に強い影響を受けることはあろうが、それは宗教団体に限らない。もし、ご指摘の発言をしたとしたら、自分の考えではないので、お詫びしたい。」
いろいろな立場で議論が交わされ、とても有意義な会でした。