「霊感商法」の真相
世界日報社が1996年に出版した、統一教会(当時)の霊感商法に関して取材した本です。家庭連合は、「霊感商法」と批判されています。かつて印鑑や壺や多宝塔が卸売り会社である株式会社ハッピーワールドより販売されましたが、その際に購入者は先祖の因縁や霊界の話で脅かされて買わされた、というものです。
しかしそれは実際にどのようなものだったのか、世界日報の取材班が、ハッピーワールド社の古田社長や、販売にあたったスタッフ、購入した方々に直接インタビューして分析しました。
そもそも霊感商法という名前は、朝日ジャーナル(現在は廃刊)がつけた名前で、統一教会を批判するために大キャンペーンをしました。それは1987年の霊感商法被害救済担当弁護士連絡会(被害弁連、現在の全国弁連)発足時と、1992年の国際合同祝福結婚式で山崎浩子さん他が登場し、その後拉致監禁されて脱会した頃が、山場でした。
「霊感商法」については、1987年に、第108回衆議院「物価問題等に関する特別委員会」で、警察庁生活経済課の上野治男課長が次のように定義づけをしています。
「人に死後あるいは将来のことについて、あることないことを申し向けて、その人に不安をあおり立て、その不安につけ込み、普通の人だったら買わないようなものを、不当に高価な値段で売り付ける商法」(P62)
つまり、①死後など人の不安に付け込んで売りつける、②安価な商品を不当に高価な値段で売りつける、の2点です。
本書では、このように分析しています。
①人の不安に付け込んで売りつけているか
実際に印鑑や壺、多宝塔を販売した担当者は、店舗に来た顧客の話を徹底的に聞いたそうです。不安に付け込むどころか、人生の不安を解消するようにアドバイスするのが仕事で、商品を購入するのはその結果だと証言しています。
購入した方々も、とても満足して買ったと証言していて、騙されたとは思っていないとのことです。
②不当に高価な値段
販売した商品は、高級な芸術品であって、職人の技をこらした装飾を施したものです。被害弁連が提示した大丸の鑑定等は、機械で作ったものと同等に扱っていて、原価率を不当に低くしているとのことです。
また、被害弁連が提示する「被害」の数字も実態とかけ離れています。あまりにもネガティブキャンペーンが行われるので消費生活センターに相談に行った人を全て被害者とカウントされたりしています。(P180)
さらに、被害者として訴訟したり法廷で証言する人の8~9割位が、拉致監禁による被害者であるそうです。拉致監禁から脱出するために偽装脱会する方がかなり多いのですが、彼らは脱会が本物であることを証明するために、被害者として証言するわけです。(P226)
この本が書かれたのは今から約30年前ですが、現在家庭連合が批判されている内容も、ほぼ同じです。むしろ30年も昔のことを根拠として家庭連合の解散命令請求が行われているわけです。あまりにも不当な処分であると言わざるを得ません。印鑑や壺などの販売は現在行われていませんから、今日「霊感商法」は存在しません。それに代わって献金が非難の対象となっていますが、これは宗教的な行為そのものです。ネガティブキャンペーンの構図自体は30年前と同じものであると考えて間違いないと思います。不当な信教への侵害を、認めることはできません。