「統一協会=勝共連合とは何か」 陳腐化した日本共産党の批判本
日隈威徳氏の著書で、1984年、今から40年前に発行された、日本共産党系の出版社である新日本出版社から出された、家庭連合の批判本「統一協会=勝共連合とは何か」を読んでみました。この本は、2022年10月に、新装版として再出版されたのですが、それは安倍元首相暗殺事件以降、日本共産党の志位委員長(当時)が、「統一教会との最後の戦いだ」と宣言した頃です。この本は、日本共産党の統一教会批判のバイブル的な位置づけにあるようですが、その内容は今からすると根拠がないものばかりで、いわば陳腐化した内容です。
例えば、目次を読むと、「金とセックスと反共と」というタイトルが書いてあります。
文鮮明総裁は私的に財産を貯めこんだとか、血分けの儀式をやって性的スキャンダルを起こし逮捕されたとか、統一教会派KCIAが作った反共団体だとか、そういう内容です。
よく知られているように、ある団体を貶めるためには、代表者を金とセックスのスキャンダルに陥れるのが常套手段です。かつての統一教会批判もこの図式そのものになっていますが、今ではそれが嘘であり単なるネガティブキャンペーンであることが明らかになっています。
金の面では、文鮮明総裁が亡くなった際に、韓国の国税局が相続税を調査するために乗り込んできたけれども、文鮮明総裁名義の財産はゼロだったことで、韓国政府がびっくりしたと伝えられています。
セックスの面では、このデマを広めて「6マリアの悲劇」なる本を書いた弟子の朴正華氏自ら、全部嘘だったという告白本を書いています。
反共の面では、統一教会はKCIAが作った団体だというのですが、その話の元となったアメリカのフレーザー委員会の報告書自体が根拠のないものであったことがわかっています。私が学生時代に原理研究会にいた時も、日本共産党の下部組織である民主青年同盟(民青)が、「原理研=KCIAのスパイ」などと宣伝していました。KCIAのスパイなら、スパイの訓練くらいありそうなものですが、原理研究会にはそんなものは全くありませんでした。ばかばかしくて話になりませんが、そんなデマが平気で流されていました。
日本共産党からすると、共産主義に反対する家庭連合は、潰すべき存在です。だから安倍元首相暗殺事件の後、志位前委員長は、「統一教会との最後の戦いだ」と宣言しましたし、わざわざこの反統一教会本を再発行したのでしょう。 ただ、この本は内容が陳腐化しており、すでに事実無根であることが明らかになっています。それにも関わらず、このような本を出すということは、コンプライアンス宣言以降は、家庭連合を批判する材料がなくなっていることの裏返しかもしれません。日本共産党は、このようなデマ本を使うようなことは、いいかげんやめた方がいいと思います。