拉致監禁問題 事実を明らかにしケリをつけなければならない

このブログに対し、なぜ今この拉致監禁問題ばかりを取り上げるのか、というご意見がありました。もう過去の問題ではないか、というような趣旨かもしれません。
たしかに、統一教会の信者に対する拉致監禁問題は、12年5か月監禁された後藤徹さんが、2015年に最高裁で損害賠償裁判を勝訴して以降、その数は減少しています。(家庭連合と名称変更したのは2015年なので、この記事では全て統一教会と記します)
私がそれでも拉致監禁問題についてブログを書き続ける理由は、この問題をうやむやにしてはいけない、と思うからです。

拉致監禁の全盛期は、おそらく1986年~2015年の30年位で、多い時は毎年200名~400名が監禁され、その8割から9割が離教したと言います。
1992年8月に、新体操の山崎浩子さんや桜田淳子さんが、合同祝福結婚式で有名になりましたが、その山崎浩子さんは監禁されて1993年4月に脱会宣言を行います。そしてマスコミは統一教会を霊感商法問題で一斉に叩くようになりました。拉致監禁問題は霊感商法キャンペーンにかき消され、その間多くの拉致監禁被害者が生まれました。

当時の統一教会は、この時拉致監禁問題をきちんと取り上げることができませんでした。昨日ご紹介した大江氏の本によれば、大江氏が広報部長に就任したのが1992年から1999年の約8年間で、丁度拉致監禁の全盛期と重なります。その間、統一教会の会長が7人も変わりました。大江氏は暴露本では拉致監禁問題に一切触れていません。霊感商法報道の混乱の中で、意図的にこの問題を伏せていたのかもしれません。もしこの時に、きちんと統一教会が拉致監禁問題に対して声を上げ、問題提起して、信者を守っていたら、4300名もの犠牲者を出さずに済んだかもしれません。
拉致監禁された信者たちは、親や親戚に取り囲まれ、時には罵倒され、時には親を捨てるのかとなじられ、反対牧師が繰り出す様々な統一教会批判の内容にとまどい、誰かに相談することもできず、いつ終わるとも知れない環境で、たった一人で戦いました。その孤独感は想像を絶するものがあります。

拉致監禁問題は、きちんとした総括がされていないのです。拉致監禁問題は、日本のみならず世界的にも、歴史上まれに見るような宗教迫害事件です。15世紀から16世紀に西洋で行われた魔女狩りでは、5万人もの無実の女性が魔女の汚名を着せられて火あぶりなどで処刑されました。それをやったのは、キリスト教徒であり、キリスト教会です。日本において、4300名(実際はそれ以上)の統一教会信者が、拉致監禁されて、信仰を捨てさせられたどころか、親子関係を破壊され、心身ともに傷つき、命まで落とす人もいました。それを指導したのはキリスト教会の牧師です。宗教史上、とんでもない闇の歴史が、現代の日本で起きているのです。

私は、拉致監禁の全盛期に、統一教会の信者でした。原理研究会の知人に、拉致監禁経験者もいました。しかし、2009年に発行された米本さんの「我らの不快な隣人」を読んで、初めてこの問題が深刻なものであると知ったのです。しかし、そのことに対して声を上げることもありませんでした。だから、私の中ではこの問題は、まだ解決していないのです。当時この問題を積極的に広報しなかった統一教会を責めているのではありません。自分自身の問題として、禊ができていないのです。
だから、この問題はうやむやにするのではなく、世の中に明らかにする必要があります。キリスト教会の牧師の立場で、中川晴久牧師や岩本龍弘牧師が、毎日動画で情報発信をしています。それでは、家庭連合の信者はどうするべきなのでしょうか。今は拉致監禁事件が減っているから、うやむやにしてよいのでしょうか?絶対にそんなことはありません。

これは、家庭連合が解散命令請求となったから組織防衛のために行うのではありません。家庭連合が解散したって、人の命は奪われません。しかし拉致監禁問題では、人の命が奪われるのです。それは霊的な永遠の命だけではなく、身体的な命、信仰と言う人間の誇り、全てが踏みにじられるのです。ある意味、解散命令請求より深刻なのが、この拉致監禁問題です。
考えようによっては、解散命令請求によって、パンドラの箱が開かれたとも言えます。今のこの時に、拉致監禁問題に対して事実を明らかにし、きちんとケリをつけなければなりません。それは家庭連合の信者がやるべきことだと思っています。

動画はこちら
https://youtu.be/wrppUfc54VE