家庭連合への質問権は犯罪捜査
8月27日に、文部科学省の家庭連合に対する質問権に対する回答が不十分であったとして東京地裁が行った過料決定に対する即時抗告が、東京高等裁判所が却下しました。
それに対して家庭連合は、これは憲法違反だとして、最高裁判所への特別抗告も含めて対応を検討すると即日発表しました。
私は、この一連の質問権の行使は、犯罪捜査に等しいものであると考えています。
なぜならば、家庭連合は、回数にして7回、件数は詳しくは知りませんが、報道によれば500件以上の質問に対して、8割きちんと答えており、残りの2割は、個人情報やプライバシー、信教の自由に関する質問や、現在、係争中の民事裁判に関する質問などには回答できなかったと、理由を述べているのです。
これに対しては、家庭連合は2023年9月8日に記者会見を行っていますので、ご参照ください。
さて、宗教法人法に基づく解散命令請求は、あくまで民事レベルの話です。実際、今回の解散命令請求には、検察官は関与していません。解散命令請求の要件とされてきた、代表者による刑事事件も、今回の事案には存在しません。
しかし実際には、質問権には全て回答せよ、回答できなければ理由の如何によらず過料通知を行い、解散命令請求を行う、という流れになっています。解散命令は、人間に例えれば死刑執行と同じですから、実質的にこれは刑事事件に相当する扱いです。
つまり、今回の質問権行使は、犯罪捜査に等しいものであると言えます。質問権は、あくまで、宗教団体側の協力がなければ、回答できないものであるにも関わらず、過料通知とセットで行うのであれば、それは職権濫用であり、もはや民事とは言えず、犯罪捜査と言わざるを得ません。
質問権については、宗教法人法の第78条の2に規定がありますが、第4項には、「所轄庁は、第一項の規定により報告を求め、又は当該職員に質問させる場合には、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。」と書いてあります。つまり、あくまで民事として行われるものだ、ということです。そしてここが重要ですが、第6項には、「第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」と書かれています。
どうでしょう、この一連の強権的な質問権の行使は、犯罪捜査だと言わざるを得ないと、私は申し上げましたが、「犯罪捜査として行ってはならない」と定められているではありませんか。
逆に、信者である我々が、この質問権を承認した宗教法人審議会に対して、議事録を開示するよう請求しても、一切開示されません。これはここで話している、家庭連合の信者である私自身が開示請求しているのですから、間違いありません。審議会の内規には、議事録は公開を原則にしているにも関わらず公開せず、しかも非公開を可能とするように内規をこっそり変更し、さらに変更に係わる議事録も非公開です。徹底的に隠そうとしています。
私は声を大にして言いたいです。文部科学省が家庭連合の質問権に対する回答が不十分だと言うのだったら、文部科学省に対する我々家庭連合の信者の質問にもきちんと答えるべきでしょう。少なくとも、内規を捻じ曲げてまで議事録を非公開にするような不誠実な対応は、してはいかんでしょう。私たちの代表に対して過料を請求するなら、文部科学大臣も私たちに対して過料を払うべきではないですか?こんな不公平な行政が許されるのですか?
かなりきついあの言葉で表現しておりますけれども、本当にこれはもうおかしい許せないことです。こんなことを許しておいたら、日本の宗教行政はおかしくなります。これは家庭連合だけの問題ではなく、他の宗教団体にとっても大きな問題のはずです。なぜならば、この質問権は、初めて行われるケースだからです。これを許しておくと、質問権と過料通知をセットにして、政府が気にくわないと思った宗教団体に対して、バンバンと犯罪捜査のような質問権が行われます。そんな前例を作ってはいけないと、私は思います。
そういう意味で、東京高等裁判所の判断は、私は非常に残念です。日本は司法ぐるみのこのような宗教迫害を、ただちにやめるべきだと思います。