パリオリンピック 最後の晩餐のパロディ化

パリオリンピックの開会式が、マリーアントワネットの生首や、「最後の晩餐」をパロディ化したとして、物議を醸しています。私は、とんでもないことだと思います。

ある時代から次の時代に切り替わるときに、それを象徴する事件を取り上げるのは、よくあることです。中世の絶対王政から市民革命による共和制が始まった際に、ルイ16世や王妃マリーアントワネットが断頭台の露と消えたのは有名だし、キリスト教が始まったのはイエス・キリストの十字架でした。

それらは、あくまでその時代を象徴しているのであって、それを嘲笑や悪趣味の対象にするべきではありません。世界中で批判が沸き上がるのは、当然ではないでしょうか。

これに対しては、ローマ教皇庁もコメントを出しています。表現の自由の重要性を否定するものではありませんが、他者が不快になるような表現は、控えるべきです。オリンピックは、このような演出をする演出家が、自分の重い通りにする場ではなく、世界中の様々な価値観を持つ人が、見て参加する、重要なイベントだからです。
https://www.sankei.com/article/20240804-KPFMY22SAJGPRJG7LZBI3LOKZA

フランスは、カトリック教徒が多い国です。言わば伝統的な文化が尊ばれる一方、それを否定する価値観を持つ人々も多くいるようです。国には様々な背景があり、一概に論じることは困難ですが、宗教的な価値観は普遍的なものだと思います。それに対して、まるで嘲笑するかのような、今回のオリンピック開会式の演出は、宗教を大切にする人々に対して、とても不謹慎だと思います。

動画はこちら
https://youtu.be/QPxDCWq5brs