出家信仰と在家信仰
出家信仰と在家信仰という言葉があります。
出家信仰は、信仰生活をするために、通常の社会生活をやめて、お寺や教会などに住み込んで信仰生活をするものです。
在家信仰は、通常の社会生活はそのままで、時々お寺や教会に行く信仰生活形態です。
家庭連合が、かつて統一教会と言っていた時代は、出家信仰でした。
初期の時期は学校や会社をやめて教会で共同生活を行っていました。個人の信仰が重視されて、神に全てを捧げることが是とされていた時代です。
当時、子どもたちが学校をやめてしまうので、「親泣かせ原理運動」などと言って、批判されたものです。
これが大きく変わったのが、統一教会が家庭連合と名称を変更した1994年以降です。
個人の信仰から家庭を中心とした信仰が中心となり、そのために社会生活が重視されました。
一人一人が「氏族メシア」となり、親族や地域のために尽くすようになりました。
「還故郷」と言いますが、自分の故郷に戻り、生活を始めました。出家信仰から在家信仰に大きく舵が切られたのです。世論対策でそのようなことをしたのではありません。「家庭」を中心とした救済が中心的な教義となり、信仰生活の中心となったのです。
信仰の初期の時点では、社会的な関係よりも神を中心とした価値観を育てることが大切な時期が、確かにあります。
そのために出家信仰があるのですが、今は出家などしなくても、家庭の中で信仰を育むことができるように、伝統や資料が整備されていますから、ありがたいものだと思います。
私などは、信仰初期には共同生活をしながら信仰生活をした時期がありました。とても懐かしい時代ですが、同時に時代の変化を感じます。
現在では、ほとんどの信者が自分の家庭をもち、会社に勤めながら家族を支えていると思います。
そのような家庭が、それぞれの地域で自主的に集まるようなことも、よくあります。
家庭交流と言いますが、このようなコミュニティを作り、週に一回は教会で礼拝を受けるわけです。
2009年のコンプライアンス宣言や、2022年の教会改革により、家庭連合も大きく変わったと思います。
教会も創立60年を迎え、成熟の時期を迎えているとも言えます。
出家信仰を否定するわけでは決してありませんが、私たちは在家信仰を守り、地域と社会に貢献する祝福家庭でありたいと思います。